
- Grok 4.5は、SpaceXAIが2026年7月9日に公開したコーディング・エージェントタスク特化のフラグシップモデル
- SWE Marathonで全モデル中1位を獲得し、Terminal Bench 2.1でも83.3%とトップクラスの成績を記録
- API料金は入力2ドル・出力6ドル(100万トークンあたり)で、Opus 4.8比60%以上の低価格を実現
2026年7月9日、SpaceXAI(旧xAI)は、コーディングとエージェントタスクに最適化されたフラグシップモデル「Grok 4.5」を公開しました!
SWE Marathonでは全モデル中1位となる29.0%を記録し、Terminal Bench 2.1でも83.3%とGPT 5.5やFableに肉薄するスコアを叩き出しました。それでいてAPI料金は入力$2/出力$6と、Opus 4.8の約60%以上安い水準に抑えられています。
とはいえ、「Opusクラスって本当なの?」「Cursorとの共同学習でなにが変わったの?」「料金はどのくらいお得?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Grok 4.5の概要から仕組み、ベンチマーク結果、料金体系、使い方、業界別の活用シーンまで徹底的に解説していきます。AIエージェントの導入やコーディングモデルの乗り換えを検討している方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
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Grok 4.5とは?

Grok 4.5は、SpaceXAIが「これまでで最も賢いモデル」と位置づける、コーディングとエージェントタスクに最適化されたフラグシップモデルです。
最大の特徴は、2026年6月にSpaceXが約600億ドルで買収したAIコーディングエディタ「Cursor」との共同学習にあります。一般的な公開コードリポジトリではなく、Cursorで実際の開発者がデバッグしたりファイル間を行き来したりするリアルな開発セッションデータを学習に取り込んでおり、マルチステップの開発ワークフローへの理解度が従来モデルとは一線を画しています。
コンテキストウィンドウは500Kトークンで、前モデルのGrok 4.3(1Mトークン)からは縮小しました。一方で、テキストと画像の入力に対応し、Function Calling、Structured Outputs、Web検索、X検索、コード実行といったサーバーサイドツールがネイティブで組み込まれています。推論能力は「reasoning_effort」パラメータでlow / medium / highの3段階から選択でき、デフォルトはhighです。
Grok 4.5の仕組み

Grok 4.5は、xAIの第9世代基盤モデル「V9」の上に構築されています。一部報道では約1.5兆パラメータとされていますが、SpaceXAI自身はパラメータ数を公式には公表していません。 前世代のv8-small(約5,000億パラメータ)から約3倍の規模拡大が図られたとみられています。
学習プロセスについて、公式ブログでは次のように説明されています。数万基のNVIDIA GB300 GPU上で大規模な学習が行われ、学習の安定性を維持するための技術が適用されました。データ面では、単なるトークン量の拡大ではなく、重複排除・品質スコアリング・ドメイン特化の選別を通じて、高いカバレッジとシグナルの質を両立させたデータミックスが構築されています。
Grok 4.5の特徴
Grok 4.5は、コーディングベンチマークでは複数の指標でトップクラスの成績を残し、コストパフォーマンスの高さが際立っています。

SWE Marathonの解決率(pass@1)では、Grok 4.5が29.0%で全モデル中1位となりました。Opus 4.8(max)が26.0%、Fable(max)が24.0%と続いており、長時間にわたる複雑なソフトウェアエンジニアリングタスクでの粘り強さが示されています。

DeepSWE 1.0(Datacurveが作成、Artificial Analysisが各社ハーネスで実行)では、Grok 4.5が62.0%を記録しました。Fable(max)の66.1%やGPT 5.5(xhigh)の64.31%には及ばないものの、Opus 4.8(max)の55.75%を大幅に上回っています。

Terminal Bench 2.1では83.3%を達成しており、Fable(max)の84.3%やGPT 5.5(xhigh)の83.4%とほぼ同水準で、Opus 4.8(max)の78.9%を超えました。SWE Bench Proの解決率では64.7%で、Fable(max)の80.4%やOpus 4.8(max)の69.2%には届きませんが、GPT 5.5(xhigh)の58.6%は上回っています。
Artificial Analysisの知能指数ランキング(Intelligence Index)では、168モデル中4位(スコア54)に位置しました。 すべてのオープンウェイトモデルとすべてのGeminiモデルを上回っており、フロンティアモデルの中でも際立ったコストパフォーマンスを示しています。

Grok 4.5はXプレミアムで実質無料?SNSで話題のコスパ
X上では「Xプレミアム契約者は実質無料でGrok 4.5を使える」という点が大きな話題となっています。また、Grok 4.5のリリース直後から、特にコストパフォーマンスの高さに注目が集まりました。
日本のAI開発者コミュニティでは、「Xプレミアムプランに契約している人は、実質無料でgpt-5.5並の性能をもつコーディングエージェント(Grok Build + grok-4.5)を使えると考えると、かなり嬉しいのでは?」とポストしています。
Grok Buildの速度面でもComposer 2.5-fastを上回るタスク遂行速度を示すベンチマーク結果を共有しており、注目度の高い投稿となりました。
以下のポストでは「Grok4.5はコーディングだけでなく幅広いタスクに対応できる汎用モデルで、入力:$2/M、出:$6/MというOpusの1/4〜1/5、Sonnetの1/2〜1/3というリーズナブルな価格。GLMやKimiと並ぶ低価格モデルなので、日本語性能次第では全然候補に入ってくる」と評価しています。
一方、以下のポストでは「Grok 4.5はOpusクラスかぁ〜。中華格安モデルでもOpus級のやつちらほらあるから、もう一息頑張って欲しいなぁ〜」とコメントしており、コスパは評価しつつも最上位モデルとの性能差を指摘する声もあります。
Grok 4.5の安全性・制約

xAIのAcceptable Use Policy(利用規約)に基づいて安全性が管理されており、常時モデレーションが適用されています。
Grok 4.5は、xAIが定めるAcceptable Use Policyに基づいて運用されています。この規約では、法令遵守を前提として、児童の性的搾取コンテンツ(CSAM)の生成禁止、非同意の親密な画像の作成禁止、人命に対する重大な危害の促進禁止などが明示されました。 安全保護機能はNSFW設定やサブスクリプションのグレードに関わらず常時適用されると公式FAQでも記載されています。
Grok 4.5の料金
Grok 4.5のAPI料金は、フロンティアモデルの中でも特に競争力の高い価格設定となっています。
SpaceXAIはGrok 4.5を「最高レベルの知性を、最小のコストと時間で提供するモデル」と位置づけており、入力$2.00/出力$6.00(100万トークンあたり)という料金を設定しました。 キャッシュ入力は$0.50と大幅な割引が適用されます。200Kトークンを超える入力では料金が倍になる点にはご注意ください。 競合のフラグシップモデルと比較すると、コスト面でのアドバンテージは明確です。
| モデル | 入力($/100万トークン) | 出力($/100万トークン) | コンテキスト |
|---|---|---|---|
| Grok 4.5 | $2.00 | $6.00 | 500K |
| Grok 4.5(キャッシュ入力) | $0.50 | $6.00 | 500K |
| Grok 4.3(参考) | $1.25 | $2.50 | 1M |
| Claude Opus 4.8 | $5.00 | $25.00 | — |
| Claude Opus 4.7 | $5.00 | $25.00 | — |
| GPT-5.6 Luna | $1.00 | $6.00 | — |
| GPT-5.6 Sol | $5.00 | $30.00 | — |
Grok 4.5のライセンス
Grok 4.5はオープンソースモデルではなく、SpaceXAI(xAI)が提供するクローズドなAPIサービスとして提供されています。
過去にGrok-1やGrok-2のモデル重みがHugging Faceで公開された経緯がありますが、Grok 4.5についてはモデル重みの公開は行われていません。利用にあたってはxAIのTerms of Service(利用規約)とAcceptable Use Policy(利用許諾ポリシー)が適用されます。 利用規約の主要なポイントを以下の表にまとめました。
| 利用用途 | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 商用利用 | ![]() | API経由での商用アプリケーション構築が可能 |
| 改変 | ![]() | 出力結果の加工・編集は可能(モデル自体の改変は不可) |
| 再配布 | ![]() | |
| 特許使用 | – | |
| 私的使用 | ![]() |
Grok 4.5の使い方
Grok 4.5はAPI、CLI、Webブラウザなど複数の方法で利用できます。ここからは代表的な利用方法をステップごとに紹介します。
Grok Build(CLI)で使う
Grok BuildはSpaceXAIが提供するターミナルベースのコーディングエージェントで、Grok 4.5がデフォルトモデルとして設定されています。もっとも手軽に試せる方法のひとつです。
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行してGrok Buildをインストールしてください。
curl -fsSL https://x.ai/cli/install.sh | bash
Grok 4.5に読み込ませたいプロジェクトのディレクトリに cd で移動します。プロジェクトディレクトリ内で起動すれば、コードベース全体を文脈として把握した上でタスクを実行してくれるでしょう。
ターミナルでGrok Buildを起動すると、Grok 4.5がデフォルトで使用されます。

自然言語でやりたいことを入力すれば、コードの生成・修正・レビューなどを実行してくれます。
例えば、Plan Mode(計画モード)で複雑なタスクの設計を承認してから実行したり、Skills機能で繰り返しのワークフローをコマンド化したり、Subagents(サブエージェント)で複数タスクを並列実行したりと、高度な開発ワークフローにも対応しています。Git連携、Web検索、コードレビュー、ヘッドレスモード(CI/CDパイプライン対応)も利用可能です。
API(cURL)で使う
開発者がアプリケーションに組み込む場合は、SpaceXAI APIを直接呼び出します。Responses APIとChat Completions形式の両方に対応しているため、OpenAI互換のコードベースからもそのまま移行できます。
以下のcURLコマンドをターミナルに貼り付けて実行します。$XAI_API_KEY の部分にはSTEP1で取得したAPIキーを設定してください。
curl -s https://api.x.ai/v1/responses \
-H "Authorization: Bearer $XAI_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "grok-4.5",
"input": "Find and fix the bug, then explain it: function median(a){a.sort();return a[a.length/2]}"
}'推論の深さを変更したい場合は、リクエストボディに "reasoning_effort": "low" や "reasoning_effort": "medium" を追加してください。デフォルトはhighに設定されています。
API(Python)で使う
Pythonから利用する場合は、OpenAI互換のSDKをそのまま使えます。base_urlを差し替えるだけで切り替え可能です。
pip install openai以下のコードで、base_urlを https://api.x.ai/v1 に変更したOpenAIクライアントを作成します。
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
api_key="your-xai-api-key",
base_url="https://api.x.ai/v1",
)作成したクライアントでGrok 4.5を呼び出します。モデル名には "grok-4.5" を指定してください。
response = client.responses.create(
model="grok-4.5",
input="Pythonで素数判定関数を書いてください",
)
print(response.output_text)grok.com / Xアプリで使う
API契約なしでブラウザやスマホから試したい場合は、grok.comまたはXアプリ内のGrokから利用できます。
モデル選択画面でGrok 4.5を選びます。SuperGrokサブスクリプション、またはX Premium契約があれば選択可能です。無料プランでもアクセスできますが、利用回数には制限があるためご注意ください。
チャット画面に質問やタスクを入力すれば、Grok 4.5が応答を返してくれます。コード生成、文章作成、調査分析など幅広いタスクに対応しています。
Cursorで使う
SpaceXAIがCursorを買収したことで、Cursorの全プランからGrok 4.5が利用できるようになりました。
Cursorのモデル選択画面でgrok-4.5を選択するだけで、すぐに利用を開始できます。Cursorの全プランで追加設定なしに利用可能です。


【業界別】Grok 4.5の活用シーン
コーディング特化モデルとしての強みに加え、幅広いナレッジワークにも対応するGrok 4.5の業界別活用例を紹介します。
ソフトウェア開発
Grok 4.5はCursorの実開発データで学習されているため、大規模コードベースのリファクタリング、バグ修正、エンドツーエンドのアプリ構築において高い実力を発揮してくれるでしょう。
公式ブログでは、RustやC/C++の難しいタスクからプロンプト一発でのアプリ構築まで対応できることが紹介されています。 Grok Buildと組み合わせれば、計画立案からコード生成、テスト、デプロイまでをターミナル上で完結させることも可能でしょう。
生成AIを搭載したSaaSについて、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

金融・コンサルティング
Grok 4.5はGrok Buildを通じて複雑なExcelモデルの構築に対応しており、Webリサーチを交えた多シート構成のスプレッドシート作成や数式設計が可能です。
500Kトークンのコンテキストウィンドウを活かして、長大な契約書や財務レポートの横断的な分析にも対応できます。トークン効率の高さはAPIコストの抑制にもつながるため、大量の文書処理を行う業務との相性はよいでしょう。
金融業界における生成AI活用について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

研究・教育
Web検索やX検索がネイティブに組み込まれているため、最新の論文やトレンドを参照しながらの調査・分析に活用できます。 推論の深さをreasoning_effortパラメータで調整できるため、シンプルな質問には高速に回答し、複雑な分析には深い思考を適用するといった使い分けが可能です。
教育業界における生成AI活用について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

【課題別】Grok 4.5が解決できること
ここからは、Grok 4.5がどんな業務課題の解決に向いているかを課題別に紹介します。
AIエージェントの運用コストを大幅に削減
Grok 4.5は、SWE Bench Proにおいて1タスクあたりの出力トークン数がOpus 4.8の約4.2分の1で済むため、同じタスクをはるかに低いAPI利用料で完了できます。
Artificial Analysisの推計では1タスクあたり$0.49と、競合モデルの数分の1のコストです。エージェントワークフローを大量に回す場合、このコスト差は運用全体の予算に大きく影響するでしょう。
長時間にわたる複雑なコーディングタスクへの対応
SWE Marathonで全モデル中1位のスコアを記録していることが示している通り、Grok 4.5は長時間にわたる難しいソフトウェアエンジニアリングタスクにおいて高い粘り強さを発揮するでしょう。
コンテキストの読解力と非同期学習による長時間ロールアウトへの耐性が、複雑な問題の根本原因追跡やマルチファイルのリファクタリングに役立ちそうです。
オフィスワークの自動化
Grok BuildはExcel、PowerPoint、Wordといったオフィスアプリケーションとの連携機能を備えており、複雑なExcelモデルの構築やスライド資料の作成、レポートの執筆を自動化することができます。
公式では「Web調査を交えた多シートExcelモデルの構築や、ネイティブPowerPointの図形を使った複雑な図解の作成」が可能であることが紹介されています。
Grok 4.5を使ってみた
それでは実際にGrok 4.5を試してみましょう。今回はGrok Build(CLI)で、コーディング能力の実力を確かめるプロンプトを投げてみます。
ワンプロンプトでインタラクティブなWebアプリを生成
公式ブログでも紹介されている「ワンプロンプトでのアプリ構築」を実際に試してみました。 以下のプロンプトをGrok 4.5に投げます。
プロンプトはこちら
Three.jsを使って、太陽系のシミュレーションを作ってください。
時間の加速・減速が調整可能で、リアルな軌道運動と星空の背景があるものにしてください。
HUDは現代的なデザインにしてください。出力結果はこちら

バグ検出と修正
コードレビュー能力も確認してみましょう。以下の意図的にバグを含むPythonコードを渡してみます。
プロンプトはこちら
以下のコードにバグがあります。見つけて修正してください。
def merge_sorted_lists(list1, list2):
result = []
i, j = 0, 0
while i < len(list1) and j < len(list2):
if list1[i] <= list2[j]:
result.append(list1[i])
i += 1
else:
result.append(list2[j])
j += 1
return result出力結果はこちら

よくある質問
最後に、Grok 4.5に関して、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。
Grok 4.5を活用してコスパ最強のAIコーディングを実現しよう
Grok 4.5は、Cursorの実開発データとの共同学習によってコーディング・エージェントタスクに特化したフロンティアモデルです。SWE Marathonで全モデル1位を獲得し、Terminal Bench 2.1でもトップクラスのスコアを記録するなど、長時間の複雑な開発タスクにおいて高い実力を示しています。
特筆すべきは、入力$2/出力$6という競争力の高い料金設定と、Opus 4.8の約4.2倍というトークン効率のよさです。Artificial Analysisの推計で1タスクあたり$0.49という実質コストは、大量のエージェントワークフローを回す開発チームにとって非常に魅力的な選択肢となるはずです。
一方で、最上位モデル(Fable 5やOpus 4.8)と比較するとDeepSWE 1.1やSWE Bench Proで差があるほか、コンテキストウィンドウが500Kとやや短い点やEU未対応などの制約も存在します。「最高性能を求めるか、コストパフォーマンスを重視するか」を基準に、ご自身のワークロードで実際にテストしたうえで導入を検討してみてください。
最後に
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