【Qwen-MM-Plugins】AIエージェントにマルチモーダル能力を追加!仕組み・使い方・活用シーンを徹底解説

押さえておきたいポイント
  • Qwen-MM-Pluginsは既存のAIコーディングエージェントに画像・動画・3Dモデリング・CADなどのマルチモーダル機能を追加できるプラグイン拡張ライブラリ
  • Claude Code・Codex・Qwen Code・Gemini CLIなど主要ハーネスに対応し、6種類のケイパビリティをモジュール単位で導入可能
  • Apache License 2.0のオープンソースで公開され、ライブラリ自体は無料で利用できる

2026年8月10日、Alibaba CloudのQwenチームは、AIエージェントにマルチモーダル機能をプラグインとして追加するためのオープンソース拡張ライブラリ「Qwen-MM-Plugins」を公開しました!

Claude CodeやCodex、Qwen Codeといった主要なAIコーディングエージェントに対して、画像認識・動画解析・Blender 3Dモデリング・FreeCAD設計といった機能を後付けで組み込める点が大きな特徴となっています。「テキストしか扱えないエージェントに、目と手を与える」と表現すれば、その価値が伝わるでしょうか。

この記事では、Qwen-MM-Pluginsの概要から技術アーキテクチャ、6種類のケイパビリティの詳細、導入手順、業界別の活用シーンまでを徹底的に解説します。最後まで読めば、自分のエージェント環境をマルチモーダル対応にアップグレードするための具体的なステップが見えてくるはずです。

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監修者田村 洋樹

株式会社WEEL代表取締役 / 累計25社以上のAIアドバイザリーを担当 / 企業向けセミナー・大学講義でのべ10,000人超に登壇 / 日本HP・インテルなど、大手企業主催カンファレンスへの登壇実績多数。AI導入支援・生成AIを活用した業務改革のプロとして、アドバイザリー・PM・講演者など多面的な立場から企業を支援中。

Qwen-MM-Pluginsとは?

Qwen-MM-Pluginsとは?
参考:https://x.com/Alibaba_Qwen/status/2086664887560970531?s=20

Qwen-MM-Pluginsは、Alibaba CloudのQwenチームが開発・公開したAIエージェント向けのマルチモーダル拡張ライブラリです。

GitHub公式リポジトリのタグラインは「Make any agent harness multimodal-native.(あらゆるエージェントハーネスをマルチモーダルネイティブにする)」で、その名のとおり、既存のテキストベースのAIコーディングエージェントに画像・動画・3D・CADなどの処理能力を追加するためのツールセットとなっています。

Qwen-MM-PluginsはQwen3.8-Maxと同時期にリリースされましたが、Qwen3.8-Max専用というわけではなく、Claude Code・Codex・Qwen Code・Gemini CLI・Qoder・OpenClawなど、主要なエージェントハーネスに幅広く対応しています。

提供されるケイパビリティは全部で6種類あり、それぞれ独立してインストール可能です。基礎的な画像・動画・文書読み取り(core)から、長尺動画のQA用メモリグラフ(video-memory)、動画編集・生成(video-edit)、Blender 3Dモデリング(blender)、FreeCADパラメトリックCAD(freecad)、教育用解説動画生成(edu-agent)まで、幅広い領域をカバーしています。

各ケイパビリティは、Skill(エージェントにツールの存在を知らせるMarkdownファイル)+MCPサーバー(ツール本体)という構成でパッケージングされており、Agent Pluginsの仕様にも準拠した設計となっています。

Qwen-MM-Pluginsの仕組み

Qwen-MM-Pluginsの仕組み
参考:https://github.com/QwenLM/Qwen-MM-Plugins

Qwen-MM-Pluginsのアーキテクチャは、モジュラーかつエージェントハーネス非依存の設計が特徴です。

全体の構成は大きく3層に分かれています。最上位にあるのがエージェントハーネス層で、Claude Code・Codex・Qwen Codeなどのクライアントがここに位置します。

中間層はSkill+MCPサーバー層で、各ケイパビリティのSkill(SKILL.mdファイル)がエージェントにツールの存在を伝え、MCPサーバーがツール本体を提供する役割を果たしています。最下層はバックエンドAPI/ローカルツール層で、DashScope API(Qwenの画像認識・音声認識・生成系機能)やSerper API(Web検索)、BlenderやFreeCADのローカルプロセスが実行を担います。

MCPサーバーはuvx(uvパッケージマネージャー)によるオンデマンド起動方式を採用しており、手動でpipインストールする必要がありません。必要な機能を呼び出すタイミングで自動的にサーバーが立ち上がる仕組みです。

画像や動画の読み取りにはダイナミックレゾリューション方式が採用されています。4Kスクリーンショットの細かい文字でも、小さなサムネイルでも、VLモデルのパッチグリッドに合わせて自動的に最適な解像度にスケーリングされるため、ユーザーが手動でリサイズする必要はありません。

Qwen-MM-Pluginsの特徴

Qwen-MM-Pluginsの最大の特徴は、ケイパビリティごとの独立インストール設計にあります。

Qwen-MM-Pluginsの特徴
参考:https://x.com/Alibaba_Qwen/status/2086664887560970531?s=20

6つのケイパビリティはすべて個別にインストール可能で、coreだけを導入して画像・文書の読み取りを追加することも、blenderだけを導入して3Dモデリング機能を追加することもできます。この粒度の細かさは、環境の肥大化を防ぎたい開発者にとって大きなメリットでしょう。

Qwen-MM-Pluginsの特徴
参考:https://x.com/Alibaba_Qwen/status/2086664887560970531?s=20

もう1つの重要な特徴は、ハーネス横断的な互換性です。同じプラグインをClaude CodeでもCodexでもQwen CodeでもGemini CLIでも利用でき、ガイドインストーラー(install.sh)を使えば、インストール・設定・検証・アンインストールをハーネスの違いを意識せずに一括管理できます。

coreケイパビリティに含まれるツールの充実度も注目に値します。画像読み取り(read_image)や動画フレーム抽出(read_video)に加え、OCR・物体検出(grounding)・セグメンテーション(SAM3)・音声認識(ASR)・Web検索・逆画像検索まで、1つのケイパビリティで15種以上のツールが利用可能です。

video-memoryケイパビリティが提供する階層型グラフメモリは、30分以上の長尺動画に対するQAを可能にする独自技術です。初回クエリ時に4階層のグラフ(Root→SuperEvent→MacroEvent→Subgraph)と埋め込みインデックスを自動構築し、以降のクエリではこのグラフをドリルダウンして回答を生成するワークフロー設計となっています。

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ケイパビリティ機能概要ツール数要APIキー
core画像・動画・文書読み取り、OCR、物体検出、Web検索ほか15+DashScope, Serper
video-memory長尺動画向け階層型グラフメモリQA9DashScope
video-edit画像・動画・音声生成+編集ワークフロー5+DashScope
blenderBlender 3Dモデリング・マテリアル・ライティング・レンダリング22不要
freecadFreeCADパラメトリックCAD・STEP/STL・FEM解析14不要
edu-agent数学・理科の問題を解説動画に変換(Skill-onlyでMCPサーバーなし)DashScope
Qwen-MM-Pluginsのケイパビリティ一覧

Qwen-MM-Pluginsの安全性・制約

Qwen-MM-Pluginsの利用にあたっては、いくつかの制約事項を理解しておきましょう。

まず、coreやvideo-editなどDashScope APIを利用するケイパビリティでは、Alibaba Cloud Model Studio(旧DashScope)のAPIキーが必須です。Web検索系のツールには別途Serper APIキーも必要となります。画像・動画のローカル読み取りやBlender/FreeCADの操作自体にはAPIキーは不要ですが、全機能を活用するには複数のAPIキー管理が前提となる点に留意してください。

Windows環境についてはWSL2(Ubuntu推奨)でのみサポートされており、ネイティブWindowsでの動作はまだ検証されていません。BlenderとFreeCADのケイパビリティでは、execute_blender_codeexecute_codeツールを通じて任意のPythonコードが実行されるため、信頼できるプロンプトのもとで利用することが推奨されます。

Qwen-MM-Pluginsの料金

Qwen-MM-Plugins自体はApache License 2.0のオープンソースソフトウェアであり、ライブラリのインストールや利用に料金は一切発生しません。ただし、各ケイパビリティが内部で利用するAPIには、利用量に応じた従量課金が適用されます。

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項目料金
Qwen-MM-Pluginsのインストール・利用無料
DashScope API(vision_chat, OCR, 生成系など)Qwen3.8-Max: 入力$2.00/百万トークン、出力$6.00/百万トークン
DashScope API(Qwen-Plus相当のモデル)入力$0.40/百万トークン〜
Serper API(Web検索)無料枠あり、以降は従量課金
Blender/FreeCADローカル操作無料(APIキー不要)
画像・動画のローカル読み取り無料(APIキー不要)
Qwen-MM-Pluginsに関連する費用

上記のとおり、Blender/FreeCADの操作や画像・動画のローカル読み取りはAPIキーなしで無料利用できます。一方、vision_chatやOCR、画像・動画生成などDashScope APIを経由する機能については、Alibaba Cloud Model Studioの料金体系に従って課金される点にご注意ください。新規ユーザーには一定量の無料トークンが付与されるため、まずは試用から始めることも可能です。

Qwen-MM-Pluginsのライセンス

Qwen-MM-Pluginsのリポジトリ全体にApache License 2.0が適用されています。

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利用用途可否備考
商用利用⭕
改変⭕ソースコードの改変は自由
再配布⭕原著作者の表記とライセンスの同梱が必要
特許利用⭕Apache 2.0に特許ライセンス条項が含まれる
私的利用⭕
Qwen-MM-Pluginsのライセンス情報

なお、BlenderケイパビリティとFreeCADケイパビリティの内部では、MITライセンスのサードパーティコードが同梱(vendor)されています。それぞれsrc/capabilities/blender/NOTICE.mdsrc/capabilities/freecad/NOTICE.mdに帰属表記が記載されているため、再配布時にはこれらの表記を保持する必要があります。

Qwen-MM-Pluginsの使い方

Qwen-MM-Pluginsの導入は、ガイドインストーラーを使う方法と、各ハーネスのコマンドで手動インストールする方法の2通りがあります。

ガイドインストーラーで一括セットアップする

最も簡単な方法は、公式のガイドインストーラーを使うことです。1つのスクリプトでインストール・設定・検証・アンインストールをすべて管理できます。

STEP

インストーラーをダウンロードして実行

curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/QwenLM/Qwen-MM-Plugins/main/install.sh > install.sh
bash install.sh
Qwen-MM-Pluginsの使い方

対話形式で、導入するケイパビリティとハーネスを選択していきます。Claude Code・Codex・Qoder・OpenClaw・Qwen Code・Gemini CLIに対応しています。

STEP

APIキーを設定

DashScope APIやSerper APIを利用するケイパビリティを選んだ場合は、設定ステップでAPIキーの入力を求められます。

bash install.sh configure

APIキーは~/.qwen-mm-plugins/configに保存され、GUIでもターミナルでも共通で読み込まれる仕組みです。

STEP

インストール結果を検証

bash install.sh verify

各ケイパビリティの環境チェックと--check-systemが実行され、不足しているシステムツール(ffmpegなど)があれば報告されます。

Codex CLIで手動インストールする

Codex CLIを使って個別にインストールする場合は、まずマーケットプレイスを登録し、その後ケイパビリティを追加します。

STEP

マーケットプレイスを登録

codex plugin marketplace add https://github.com/QwenLM/Qwen-MM-Plugins.git
Qwen-MM-Pluginsの使い方
STEP

ケイパビリティを追加

<cap>にはcore・video-memory・video-edit・blender・freecadのいずれかを指定します。

codex plugin add qwen-mm-plugins-<cap>@qwen-mm-plugins

例えば、coreを追加する場合は以下のようになります。

codex plugin add qwen-mm-plugins-core@qwen-mm-plugins
Qwen-MM-Pluginsの使い方

Claude Codeで手動インストールする

Claude Code環境での手順も基本的に同じ流れです。

STEP

マーケットプレイスを登録

claude plugin marketplace add https://github.com/QwenLM/Qwen-MM-Plugins.git
STEP

ケイパビリティをインストール

claude plugin install qwen-mm-plugins-<cap>@qwen-mm-plugins

Qwen Codeでインストールする

Qwen Codeの場合は、extensionsコマンドを使用します。

qwen extensions install https://github.com/QwenLM/Qwen-MM-Plugins.git:qwen-mm-plugins-<cap> --consent

【業界別】Qwen-MM-Pluginsの活用シーン

Qwen-MM-Pluginsは特定のモデルやハーネスに限定されないオープンなツールであり、マルチモーダル処理が求められるあらゆる領域で活用の余地があります。

建築・製造業

FreeCADケイパビリティによるパラメトリックCAD操作は、設計業務に直接的なインパクトをもたらします。M6ボルトの3Dモデルを自然言語で指示して生成し、STEP/STLファイルとしてエクスポートしたり、FEM解析(有限要素法解析)を実行して構造的な強度を検証したりといった作業を、エージェント経由で効率化できるでしょう。

製造業界における生成AI活用について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

動画制作・メディア

video-editケイパビリティは、Qwen-Imageによる画像生成・編集、Qwen3-TTS-Flashによるテキスト読み上げ、Wanシリーズによるテキスト-to-ビデオ生成、HappyHorseによる動画編集まで、映像制作のワークフロー全体をカバーしています。video-memoryと組み合わせれば、長尺動画の内容理解と再編集を一連の作業として処理できるようになります。

エンタメ業界における生成AI活用について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

研究・教育

edu-agentケイパビリティは、数学や理科の問題を入力すると、ステップごとの解説動画を自動生成する機能を持っています。Skill-onlyのアーキテクチャ(MCPサーバーなし)で動作し、Node.js 18以上とhyperframes CLIを使ってレンダリングを行います。教育コンテンツの量産において大きな可能性を秘めたケイパビリティです。

教育業界における生成AI活用について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

【課題別】Qwen-MM-Pluginsが解決できること

続いては、Qwen-MM-Pluginsが解決できる具体的な課題を、カテゴリごとに整理しておきましょう。

テキストベースのエージェントでは画像・動画を扱えるように

これまでのAIコーディングエージェントは、テキストの読み書きに特化しており、画像の内容を理解したり動画を解析したりする能力を持っていませんでした。Qwen-MM-Pluginsのcoreケイパビリティを導入すれば、既存のエージェント環境を壊すことなく、ダイナミックレゾリューションによる画像・動画・文書の読み取り機能を追加できます。

長尺動画の内容把握のタイムコストをカット

2時間の講義動画や長時間の会議録画から情報を探すのは、人間にとっても大きな負担です。video-memoryの階層型グラフメモリを使えば、初回クエリ時に動画全体の構造を自動インデックス化し、タイムスタンプ付きの回答をドリルダウン形式で取得できるようになります。

3DモデリングやCAD操作のプログラミングを容易に

BlenderやFreeCADをPythonで操作するには、それぞれのAPIに精通する必要がありました。Qwen-MM-Pluginsのblender/freecadケイパビリティは、自然言語の指示をツール呼び出しに変換するため、APIの細かな文法を覚えなくてもモデリング作業を進められるようになります。

Qwen-MM-Pluginsを使ってみた

ここからは、実際にQwen-MM-Pluginsのcoreケイパビリティを導入し、画像読み取り機能の動作を検証してみます。

画像の読み取りとOCRを試す

Codex CLIを起動し、画像ファイルを参照して質問してみます。

ダッシュボード画像はこちら

Qwen-MM-Pluginsを使ってみた
プロンプトはこちら
@dashboard-4k.png このダッシュボードの数字をすべて読み取って

出力結果(一部抜粋)はこちら

Qwen-MM-Pluginsを使ってみた

coreケイパビリティのread_imageが4K画像をダイナミックレゾリューションで処理し、VLモデルのパッチグリッドに最適化された解像度で読み込んでくれました。続いてocrツールが文字認識を実行し、ダッシュボード上のすべての数値を正確に抽出してくれました。

よくある質問

最後に、Qwen-MM-Pluginsに関して、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。

Qwen3.8-Max以外のモデルでも使えるのでしょうか?

はい、Qwen-MM-Pluginsは特定のモデルに依存しない設計です。Claude Code・Codex・Gemini CLIなどのハーネスに対応しており、各ハーネスが利用するモデル(Claude、GPTシリーズ、Geminiなど)でも動作します。ただし、DashScope APIを利用するツール(vision_chat、OCR、生成系など)については、バックエンドでQwenモデルが呼び出される仕組みとなっています。

Blenderをインストールしていなくても使えるのでしょうか?

blenderケイパビリティを利用する場合は、Blender本体のインストールが必要です。ただしLinux x86_64環境であれば、QWEN_MM_AUTOLAUNCH=1の設定により、最初のツール呼び出し時にBlenderを自動ダウンロード・起動する機能が用意されています。macOSやWindows(WSL2)では手動でBlenderをインストールしておく必要があります。

coreケイパビリティだけをインストールすることは可能ですか?

もちろん可能です。Qwen-MM-Pluginsの6つのケイパビリティはすべて独立してインストール・アンインストールできる設計のため、必要なものだけを選んで導入できます。coreだけを導入すれば、画像・動画・文書の読み取りやOCR、Web検索といった基礎的なマルチモーダル機能が利用可能になります。

Qwen-MM-Pluginsでエージェントのマルチモーダル拡張を始めよう!

Qwen-MM-Pluginsは、テキストベースのAIエージェントに画像・動画・3D・CADといったマルチモーダル処理能力を後付けで追加できるオープンソース拡張ライブラリです。6種類のケイパビリティを必要に応じて組み合わせられる設計と、主要ハーネス横断の互換性は、今後のエージェント開発において重要な基盤となるでしょう。

AIエージェントにマルチモーダル機能を組み込みたい方や、Blender/FreeCADの自然言語操作に興味がある方は、まずcoreケイパビリティの導入から始めてみることをおすすめします。

最後に

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