生成AIとは何か?従来AIとの違いから仕組み・メリット・企業活用事例まで徹底解説

押さえておきたいポイント
  • 生成AIは「判断するAI」ではなく、「新しく創り出すAI
  • 従来のAIとの違いは仕組みと役割にあり、活用できる業務範囲が大きく異なる
  • 正しい使い分けができれば、企業の生産性と競争力を大きく高められる

最近話題の生成AI(ジェネレーティブAI)ですが、従来のAIとは何が違うのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

また、興味をもったものの、どのようなサービスに生成AIが搭載されているのか、どのようなことができるのかといった内容を知りたい方も多いはずです。

そこで本記事では、生成AIの「種類」「仕組み」「できること」「代表的なサービス」などの基本事項を解説します。最後まで読めば、生成AIの基礎を把握でき、最新のAI動向を素早くキャッチできるようになります。

\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/

  1. 生成AI(ジェネレーティブAI)とは?簡単に解説
    1. 従来のAIとの違いをわかりやすく解説
    2. 代表モデル(GPT・GAN・拡散モデルなど)と技術トレンド
    3. 今なぜ注目されているのか?
    4. 生成AIが開発された経緯
    5. どんなコンテンツを「生成」できるのか
  2. 生成AIの仕組み
    1. Transformerとは?
    2. LLM(大規模言語モデル)とは?
    3. 拡散モデル(Diffusion)とは?
    4. 生成プロセス(サンプリング/プロンプトの重要性)
    5. モデルの種類(表付き)
  3. AIエージェント・推論モデルについて
    1. AIエージェント
    2. 推論モデル
  4. 生成AIにできること・得意なこと
    1. 業務別ユースケース
    2. テキスト/画像/音声/動画/マルチモーダル別に紹介
    3. 生成AIの代表的なサービス(種別×サービス)
  5. 生成AIにできないこと・苦手なこと
  6. 生成AIの導入メリット
  7. 2025年の生成AIトレンド:マルチモーダル・動画・AIエージェント
    1. マルチモーダルAIの標準化(GPT-4.1 / Gemini 3 / Claude 4.5)
    2. テキストから動画へ:SoraやRunway Gen-3が変えるクリエイティブ
    3. AIエージェントが「自動で仕事を進める」時代へ
  8. 他の技術との違い
  9. 企業で導入するには?
    1. 導入フロー5ステップ(PoC → 社内展開)
    2. 社内説明のためのチェックポイント
  10. 国内の生成AIの活用事例
    1. 事例①コカ・コーラ(情報検索システムの導入)
    2. 事例②オルツ(ゲーム開発)
    3. 事例③パナソニック(自社向けAIアシスタントサービス)
    4. 事例④アサヒビール(社内情報検索システム)
    5. 事例⑤旭鉄工株式会社(改善事例の蓄積と共有)
    6. 事例⑥江崎グリコ株式会社(AIチャットボットでバックオフィス業務を削減)
    7. 事例⑦ヤマト運輸株式会社(生成AIで配送業務量を予測)
    8. 事例⑧パルコ(広告動画やナレーション、音楽を生成AIで作成)
    9. 事例⑨株式会社ビズリーチ(生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率の向上)
    10. 事例⑩株式会社学研ホールディングス(生成AIによる個別アドバイス提供)
    11. 事例⑪出光興産
    12. 事例⑫キリンホールディングス株式会社
    13. 事例⑬住友商事
    14. 事例⑭ライフネット生命保険
    15. 事例⑮明治安田生命保険
  11.  海外の生成AI活用事例
    1. スターバックス(ビッグデータを店舗運営に活用)
    2. Uber Eats(AIアシスタントが注文プロセスを支援)
    3. Amazon(生成AIでサプライチェーンを最適化)
    4. Netflix(画像生成AIでアニメを制作)
    5. Gucci(生成AIが購入履歴に基づきおすすめ商品を提案)
    6. Google(医療画像の診断や疾患を生成AIで予測)
    7. H&M(生成AIがファンショントレンド予測と在庫管理の効率化提案)
    8. Mastercard(生成AIで不正利用の検出率を2倍に向上)
    9. Electronic Arts
    10. VISA
  12. 生成AIの使い方
  13. 生成AIを利用するメリット
  14. 生成AIを利用するデメリット
  15. 生成AIの種類
    1. テキスト生成
    2. 画像生成
    3. 動画生成
    4. 音声生成
    5. マルチモーダルAI
  16. 生成AIの機械学習について
    1. 教師あり学習(Supervised Learning)
    2. 教師なし学習(Unsupervised Learning)
    3. 強化学習(Reinforcement Learning)
    4. 深層学習(Deep Learning ディープラーニング)
  17. 【無料あり】生成AIの代表的なサービス
    1. ChatGPT
    2. Midjourney
    3. Runway
    4. AudioPaLM
    5. SeamlessM4T
    6. Stable Diffusion
    7. DALL-E3
    8. Gemini
    9. Llama3
    10. Adobe Firefly
    11. Canva
  18. 生成AIの国内における動向
    1. 生成AIの普及と認知度の向上
    2. 企業における生成AIの活用
    3. 国産生成AIの開発動向
    4. 生成AI関連ビッグテックの日本参入
    5. 生成AIの今後の展望と課題
  19. 生成AIをビジネスで活用する方法
    1. ブログのタイトル作成
    2. キャッチコピー作成
    3. メール文の作成
    4. 文章の要約
    5. プログラミングコード生成
    6. 自動応答チャットボットの構築
    7. ビジネスのトレンド調査
    8. 顧客エンゲージメントの向上
  20. 生成AIの危険性や問題点
    1. 情報漏洩のリスク
    2. 情報の信憑性
    3. 著作権侵害
  21. 生成AIの危険性への対処法
    1. 情報漏洩への対策
    2. 情報の信憑性への対策
    3. 著作権侵害への対策
  22. 生成AIを安全に使うためのルールとガイドライン
    1. 日本のAI事業者ガイドライン(第1.0版)のポイント
    2. GENIACなど、日本の生成AI開発支援の動き
    3. 著作権・プライバシーで注意すべきポイント
  23. 生成AIに関するよくある質問(FAQ)
    1. 生成AIとChatGPTの違いは?
    2. 無料で使える生成AIには何がありますか?
    3. 生成AIに仕事を奪われませんか?
    4. 生成AIは中小企業でも活用できますか?
  24. 最新の生成AIの仕組みや活用事例を知って業務に取り入れよう
  25. 最後に

生成AI(ジェネレーティブAI)とは?簡単に解説

生成AI(ジェネレーティブAI)とは、簡単に述べると大量のデータを基に新しいコンテンツを作り出す人工知能の一種です。従来のAIは「識別・予測」が役割であり、生成AIは「創造・生成」が強み。両者は活用領域が異なっており、従来のAIは業務の自動化・効率化が中心でしたが、生成AIはクリエイティブ業務やアイデア創出まで支援できるようになりました。

例えば、たくさんの人の顔画像を訓練データとしてAIモデルを学習した場合、それらの画像に似た新しい顔画像をAIが生成できるようになります。このAI技術には、元データの特徴を捉えるために「確率分布」という数学的な手法を用いています。

生成AIはこの確率分布を利用して新しいデータを「サンプリング」つまり、選び出すことで、似たような新しいデータを生成できるというわけです。

生成モデルのイメージ
参考:https://www.bigdata-navi.com/aidrops/2941/

近年では、深層学習という手法を採用することにより、さらにリアルな画像データや音声データを生成できるようになりました。深層学習を使うAIモデルのことを「深層生成モデル」と呼びます。

深層生成モデルの例には、GAN(敵対的生成ネットワーク)やVAE(変分オートエンコーダー)などがあります。これらはより複雑なデータを扱うために特別に設計されたモデルです。

GANやVAEについては、この後で出てくる「生成AIの仕組み」のなかで詳しく解説します。

従来のAIとの違いをわかりやすく解説

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項目生成AI識別AI機械学習
主な機能新しいコンテンツを創造・生成する既存データを分類・識別するデータからパターンを学習し予測する
用途・目的文章作成、画像生成、アイデア創出、コード生成など創造的業務画像認識、スパムメール判別、異常検知、需要予測など判別業務あらゆるAIの学習基盤。データから規則性を見つけ出す
代表的な技術GPT(テキスト生成)、GAN・拡散モデル(画像生成)、トランスフォーマーCNN(画像認識)、決定木、SVM(サポートベクターマシン)教師あり学習、教師なし学習、強化学習、深層学習(ディープラーニング)
出力結果の特徴オリジナルの新規コンテンツ(訓練データにないものを生成)分類ラベルや予測値(既存カテゴリへの分類)モデルやアルゴリズム(予測・分類の仕組みそのもの)
学習方法大規模データで教師なし学習→微調整で精度向上主に教師あり学習(正解ラベル付きデータで訓練)教師あり・なし・強化学習など複数の手法
具体例ChatGPT、Midjourney、Stable Diffusion、Claude顔認証システム、製品の良品/不良品判定、音声認識Netflix推薦システム、株価予測モデル、検索エンジンのランキング
生成AIと従来のAIとの違いの一覧表

AIと呼ばれる技術の存在は以前から広く知られていますが、生成AIは従来のAIと何が違うのでしょうか。これまでのAIは、将来の予測を行う、正誤を判定するなどAIモデルが学習した内容を基に自動化するのが目的でした。電子メールのスパム判別、画像認識、市場の需要予測などがその一例です。

一方、生成AIは過去判定や予測だけでなく、データから学習した内容を基に新しいコンテンツを作成できます。新しいテキストや画像、音声などを自ら新たに生成することができるのがAIとの違いです。

  • 従来のAI:AIに新しく画像を認識させ、その画像が「犬」か「犬以外」かを判別する
  • 生成AI:「犬」のような画像を新たに生成する

例えば、犬の画像をAIモデルに学習させた場合の両者の違いは上記の通りです。この時、両者は上記のような使い分けができます。わかりやすく言えば、データをグループごとに分けるのを得意としているのが「識別系AI」、データを新たに生成するのを得意としているのが「生成系AI」となります。

代表モデル(GPT・GAN・拡散モデルなど)と技術トレンド

生成AIの代表モデルは、GPT・GAN・拡散モデルなどがあります。

  • GPT:事前に大量のデータを学習させることで、人間のように自然な文章を生成できる高精度なAIモデル
  • GAN:対立する2つのネットワークが競い合いながら高品質な画像を生成するAIモデル
  • 拡散モデル:ノイズの追加と除去を通じて高精細な画像を生成する進化型AIモデル

それぞれのモデルは、テキストや画像を生成する仕組みが異なるため、自分の用途に適したモデルを選ぶのが大切です。テキストや画像生成を幅広くこなせるモデルを求めるなら、GPTがおすすめです。

なお、近年では、AIエージェントや高度な推論をこなす推論モデルが技術トレンドとなっています。

  • AIエージェント:自律的に判断・行動し、タスクを遂行するモデル
  • 推論モデル:より深い考察により専門性の高いタスクをこなせるモデル

より専門性の高いタスクをこなす場合は推論モデル、単純作業を効率化したいならAIエージェントを活用しましょう。

今なぜ注目されているのか?

生成AIが今注目されているのは、人間に匹敵する文章・画像・音声などを自動生成でき、あらゆる業界で創造的業務の効率化や革新が期待されているからです。

さらに具体的には以下のような背景があります:

  • 技術の進化:GPTや拡散モデルなど、高精度な生成AI技術が登場し、クオリティが飛躍的に向上している
  • アクセスのしやすさ:ChatGPTや画像生成ツールなど、誰でも簡単に使えるサービスが普及している
  • ビジネス応用の拡大:広告、デザイン、企画、プログラミングなど、幅広い業務に応用され始めている
  • コスト削減と生産性向上:人間の手間を大幅に減らし、人件費の削減が期待できる

このように、生成AIは単なるツールにとどまらず、社会や仕事のあり方そのものを変える可能性がある技術として注目されています。

生成AIが開発された経緯

生成AIは、元々は研究機関や大手テクノロジー企業によって開発されました。

2014年頃に登場した「GAN(Generative Adversarial Network)」という技術が、その発展の大きな起点となっています。

GANは、2つのAIが互いに競い合いながら学習し、リアルな画像や映像を生成するという新しい方法で、多くの分野に大きなインパクトを与えました。

どんなコンテンツを「生成」できるのか

生成AIは、次のような多様なコンテンツを生成することができます。

テキスト生成

ChatGPTやGeminiなどが代表例です。ブログ記事、メール文面、広告コピー、報告書の要約、プログラムコードなど、あらゆる文章を生成できます。質問に答える対話形式だけでなく、長文の論文作成や多言語翻訳も可能。ビジネスシーンでは資料作成やアイデア出しに活用されています。

画像生成

Midjourney、Stable Diffusion、DALL-E 3などが有名。テキストで「夕焼けの海辺にいる猫」と指示すれば、リアルな写真からイラスト、抽象画まで多彩なスタイルで画像を生成します。マーケティング素材、Webデザインの背景、商品パッケージのモックアップ制作などに使われています。

音声生成

人間の声を再現したナレーション、効果音、さらには音楽まで生成可能。VoiceryやCoeFontなどのツールでは、テキストを自然な音声に変換するTTS機能が進化しており、YouTubeのナレーションやポッドキャスト制作で活用されています。

動画生成

RunwayやPikaなどのツールでは、テキストや静止画から短い動画クリップを自動生成できます。アニメーション、広告映像、SNS用の短編コンテンツ制作に利用され始めており、今後さらなる進化が期待されています。

プログラムコード生成

GitHub CopilotやChatGPTのコード生成機能により、プログラミング業務が劇的に効率化。自然言語で「顧客データベースを検索する関数」と指示すれば、Python、JavaScript、Javaなど複数言語でコードを自動生成します。デバッグや既存コードの改善提案も可能です。

3Dモデル・デザイン

建築パースや製品の3Dモデルなども、テキスト指示から生成できる技術が登場しつつあります。

これらのコンテンツを組み合わせたマルチモーダルAIも登場しており、画像を見せて説明を求めたり、文章と画像を同時に生成することも可能。

単なる効率化ツールを超えて、人間の創造的なパートナーとして、生成AIは私たちの仕事とクリエイティビティを拡張し続けています。

生成AIの仕組み

生成AIの仕組みを理解するうえでは、Transformerや生成プロセスを理解することが大切です。また、生成には複数のモデルが存在するため、それぞれのモデルに対する理解と使い分けが求められます。以下では、生成AIの仕組みをわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

Transformerとは?

Transformerとは、2017年にGoogleの研究者が発表したニューラルネットワークの一種で、自然言語処理の分野に革新をもたらした技術です。機械翻訳などの系列変換タスクを目的に開発され、後にChatGPTなどの生成AIの基盤技術としても注目を集めました。

最大の特徴は「Attention Mechanism」によって、文章中の文脈や重要な単語の関係を高精度かつ高速に処理できる点。並列処理が可能で長文にも強く、従来のモデルに比べて優れた性能を発揮します。

LLM(大規模言語モデル)とは?

LLMとは、膨大なテキストデータを学習し、人間の言葉を理解・生成できるAIモデルです。ChatGPT、Claude、Geminiといった対話型AIサービスは、すべてこのLLMをベースに構築されています。

拡散モデル(Diffusion)とは?

拡散モデルは、画像生成AIの中核技術として2020年代に急速に普及しました。その仕組みは、一見不思議に思えるかもしれませんが、原理はシンプルです。

2つのプロセスで画像を生成

Forward Process(拡散過程)と呼ばれる過程では、元の画像に少しずつランダムノイズを加えていき、最終的に完全なノイズ画像に変換します。これは学習データから「どのようにノイズが増えるか」のパターンを学ぶプロセスです。

2つ目がReverse Process(逆拡散過程)。完全なノイズ状態から出発し、学習したパターンに基づいてノイズを徐々に除去していきます。この過程で、ノイズが美しい画像へと変化していくのです。

拡散モデルが、後述するGANやVAEを抜いて主流となった理由は上記2つです。2つの過程を経由することで、GANと比較して、より自然で高精細な画像を安定して生成できます

また、GANは2つのネットワークを競わせる構造のため学習が不安定でしたが、拡散モデルは単一の学習プロセスで済み、安定した訓練が可能。

さらにテキストプロンプトによる細かな指示が効きやすく、「猫の耳を少し大きく」「夕焼けをオレンジ色に」といった微調整も容易です。

生成プロセス(サンプリング/プロンプトの重要性)

生成AIがコンテンツを生み出す際には、「プロンプト(入力文)」と「サンプリング(出力の選択)」が大きな役割を果たします。プロンプトはAIへの指示文であり、その内容や表現によって出力結果の質や方向性が大きく変わります。

一方サンプリングは、学習済みモデルが多数の候補の中からどのような出力を選ぶかを決めるプロセスです。温度(temperature)や確率分布などのパラメータを調整することで、創造性の高い応答から精度重視の応答までコントロールできます。

このように、適切なプロンプト設計とサンプリング手法の工夫によって、生成AIの出力品質は大きく向上します。

モデルの種類(表付き)

生成AIには、以下のように複数のモデルが存在します。

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モデル特徴仕組み
回帰モデル数値を予測適切な直線を引く
分類モデルクラスを予測適切な決定境界を引く
クラスタリングデータをグループ分けデータ間の類似度を計算
主成分分析データの情報量を圧縮分散が最大となる方向を軸としてデータを変換
GPT文章の次単語予測・生成Transformerのデコーダを事前学習
VAEデータの特徴を表現する潜在変数を求めてデータを生成オートエンコーダを利用して、潜在変数に確率分布を用いる
GAN2つのニューラルネットワークを用いてデータを生成識別器と生成器を競わせてデータを学習
拡散モデル画像を生成ノイズの追加と除去を通じて高精細な画像を生成
AIエージェント自律的に判断・行動し、タスクを遂行する環境から情報を取得し、自律的に判断・行動を繰り返すことで目標を達成する
推論モデルより深い考察により専門性の高いタスクをこなすWeb上の数百の情報源から関連情報を収集・分析する

代表的なものとして、文章生成に強いGPTシリーズ、画像生成で注目されるGANや拡散モデルなどが挙げられます。

それぞれのモデルは特徴や得意分野、使われる技術が異なるため、目的に応じて適切なモデルを選択することが重要です。

なお、GPTの代表格であるChatGPTにできることを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

AIエージェント・推論モデルについて

2025年の生成AI業界では、単にコンテンツを生成するだけでなく、自律的に行動するAIエージェントや高度な思考を行う推論モデルが注目を集めています。

AIエージェント

AIエージェントとは、複数のツールやAPIを自律的に呼び出し、目標達成まで一連のタスクを自動で進めるAIシステムです。

従来の生成AIが「質問に答える」だけだったのに対し、AIエージェントは「目標を達成するために計画を立て、実行する」ことができます。

主な特徴として、人間の指示を待たず、次に何をすべきか自ら判断し、Web検索、データベース照会、API呼び出しなど外部ツールを活用します。

さらに過去の対話や実行結果を記憶し、文脈を保持し結果を評価し、必要に応じて計画を修正をしてくれます。

代表的なフレームワークには、AutoGPTやLangChain、LangGraph、Microsoft 365 Copilotなどがあります。

推論モデル

推論モデルとは、複雑な思考を必要とする問題を、段階的に考えながら解くことを目的としたAIモデルです。従来の生成AIが「即座に答える」のに対し、推論モデルは「じっくり考えてから答える」ことに特化。

主な特徴として思考過程の可視化、段階的推論、自己検証機能、長時間の推論があげられます。

生成AIにできること・得意なこと

生成AIを活用するには、生成AIを使ってできることを把握することが重要です。プロンプトで指示を出すことで人間が作ったような新しいコンテンツを簡単に生成できます。例えば、フィクション作品を書くことや新しいアイディアの創出、さらには、メールの返信などの面倒な作業も効率化できます。

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生成AIにできること生成AIにできないこと
フィクションの世界創造芸術作品等の主観的評価
自動ブレインストーミング五感の活用
自動プログラミング独創性のある生成
メールやレポートの自動生成長期記憶
自動要約曖昧な物事の理解
生成AIにできること・できないこと

上記の表はほんの一例ですが、生成AIの特性を知らないまま利用すると、期待していた回答を得られない可能性があるので、何ができて何ができないのかを事前にしっかり把握しておきましょう。

このように、生成AIはクリエイティブな活動から分析的な作業まで、多岐にわたる領域で作業の効率化を支援します。生成AIを活用すれば、これまで人間が手作業で行っていたタスクを自動化し、時間とコストの削減に役立つでしょう。

業務別ユースケース

生成AIでできることを業務別にまとめました。

  • マーケティング:広告コピー作成
  • カスタマーサポート:電話の自動応答
  • 企画:商品デザインのアイデア出し
  • プログラマー:プログラムコード生成
  • 教育:教育コンテンツの作成
  • 医療:医療データの分析支援

生成AIは、単純な質問への自動応答、アイデア出しや分析などのタスクで本領を発揮します。幅広い業界での活用が進んでいるので、まだ活用していない方はぜひ使ってみてください。

テキスト/画像/音声/動画/マルチモーダル別に紹介

生成AIでできることをタスク別にまとめると、以下のようになります。

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項目内容
テキスト記事やメール文の自動生成
画像リアルなイラストや写真の創作
音声ナレーションや合成音声の生成
動画短編映像やアニメーションの作成
マルチモーダル画像と文章を組み合わせた説明文やキャプションの自動生成
生成AIでできること一覧表

上記のモデルは、単体で使用しても効果を発揮しますが、それぞれ組み合わせることでより豊かで多様なコンテンツ制作が可能になります。

今後も技術の進歩により、より高度で自然な表現が期待されています。

生成AIの代表的なサービス(種別×サービス)

生成AIの代表的なサービスを以下にまとめました。

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項目内容
テキスト生成ChatGPT・Claude
画像生成Stable Diffusion・Midjourney
音声Voicery・CoeFont
動画生成Runway・Pika
マルチモーダルAIChatGPT・Gemini
生成AIの代表的なサービス

なかでも、ChatGPTは生成AIが注目される原因となった有名なサービスです。テキスト生成だけでなく、画像生成や動画生成など幅広いタスクをこなせるマルチモーダルAIとして利用できます。

それぞれのサービスに異なる強みがあるため、特定のタスクをこなす際は該当のサービスを利用してみてください。

生成AIにできないこと・苦手なこと

生成AIができないのは、最新情報への対応です。最近では、Webブラウジングによりある程度最新情報を集められるようになりましたが、まだまだ出力したテキストに古い情報が紛れていることがあります。

また、生成AIは主に「計算可能な、明確に定義されたタスク」において強い一方で「主観性、感覚、独創性、長期記憶、曖昧性」など、人間が持つ能力や感性に関連する領域では基本的に弱いといえます。

さらに、専門的・倫理的な判断が求められる内容や、法律・医療など正確性が重要な領域では、人間によるチェックが不可欠です。さらに、創作物の「オリジナリティ」や「意図のある表現」といった、感性や価値判断が求められる場面でも限界があります。

これからのAI時代に向けて、人間は「生成AIにできないこと・苦手なこと」の能力を伸ばしていくことが重要です。

生成AIの導入メリット

生成AIは多くの場面で高い生産性と創造性を発揮しますが、すべてを万能にこなせるわけではありません

生成AIの最大の魅力は、大量のタスクを瞬時にこなせる点にあります。文章・画像・音声・コードなどを短時間で自動的に作成できるため、作業時間を大幅に減らすことが可能です。

また、アイデア出しや試作の段階でも役立ち、人の発想を助けるサポートツールとしても活用できます。24時間稼働できる点も、業務効率化を図るうえでの大きなメリットです。

2025年の生成AIトレンド:マルチモーダル・動画・AIエージェント

2025年は生成AIにおいて、インパクトのある発表が多かったのではないでしょうか。

特に「マルチモーダル対応」「動画生成の実用化」「AIエージェントの台頭」という3つの潮流は、ビジネスや日常生活におけるAIの活用方法を根本的に変えつつあります。

マルチモーダルAIの標準化(GPT-4.1 / Gemini 3 / Claude 4.5)

テキスト・画像・音声・動画を統合処理できるAIが普及し、業務効率化がこれまで以上に進んでいます。

2025年、生成AI最大のトレンドは「マルチモーダル対応の標準化」。従来のAIは「テキスト専用」「画像専用」といった単一データ形式にしか対応できませんでしたが、最新モデルは複数の情報形式を同時に理解・生成できるようになりました。

GPT-5.2は2025年12月にリリース。GPT-5.1から1ヶ月でのアップデートという異例の速さで、処理速度は2倍、コストは半額を実現しながら、テキスト・画像・音声・コードを統合して扱える能力を持っています。

Claude Opus 4.5は2025年11月にリリースされ、コーディング性能が世界最高水準に到達。特筆すべきは、API価格が67%削減($15→$5/100万トークン)されたことで、企業導入のハードルが大幅に下がっています。

Gemini 3 Pro(Google)も2025年11月に登場し、「Deep Think」という推論モードを搭載。Gmail、Docs、Sheetsなど、Google全サービスと統合されており、テキスト・画像・音声・動画を横断的に処理できます。

これにより、ビジネス現場では「画像付き報告書の要約」「プレゼン資料から動画の自動生成」「音声議事録の自動作成と要約」といった複合的なタスクが、1つのツールで完結。

テキストから動画へ:SoraやRunway Gen-3が変えるクリエイティブ

動画生成AIが実用レベルに達し、クリエイティブ産業の構造を大きく変えています。

2025年12月の衝撃:Disney×OpenAI提携

2025年12月、ウォルト・ディズニーがOpenAIに10億ドル(約1,550億円)を出資し、資本提携を発表。

提携の内容は以下の通りです。ディズニーはOpenAIに10億ドル(約1,550億円)を投資し、3年間のライセンス契約を締結しました。これにより、2026年初めから一般ユーザーもSoraでディズニーキャラクターを使った動画生成が可能になる見込みです。

動画生成AI競争の最新状況

Runway Gen-4.5は2025年12月にリリースされ、プロンプト追従性や物理演算の再現性能が大幅に向上しました。

業界標準のベンチマーク「Artificial Analysis」において、GoogleのVeo 3やOpenAIのSora 2を抑えて1位を獲得。

Sora 2は2025年9月にリリースされ、最大60秒の動画生成が可能で、音声・効果音も同時生成できる点が特徴です。物理法則の正確性やリアリズムが大幅に向上し、編集機能も強化されました。

Veo 3は2025年10月に発表され、最大8秒の動画生成に対応しています。物理演算の精度が向上し、よりリアルな動画生成が可能。

AIエージェントが「自動で仕事を進める」時代へ

人間の指示を受けて自律的に複数タスクを実行する「AIエージェント」が、業務自動化の主役になりつつあります。

AIエージェントは、目標を与えられると自ら計画を立て、複数のツールを使いこなしながらタスクを達成するAIのこと。より複雑な業務を自動化できるという特徴があります。

主要AIエージェントサービス

代表的なAIエージェントとして、Microsoft 365 Copilotがあります。

Word、Excel、PowerPoint、Teamsといった業務アプリケーションと統合されており、会議議事録の作成、メールの要約と返信案作成、データ分析とレポート生成などを自動的に実行可能。

Google Vertex AI Agent Builderは、カスタムAIエージェントを構築できるプラットフォームで、Google Cloudと統合されています。従量課金制で利用できます。

他の技術との違い

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技術特徴
生成AI新しいコンテンツを自動で生成
機械学習過去のデータから傾向を学習して予測や分類を行う
識別AI画像や音声を識別することに特化

生成AIは、「自動で新しいコンテンツを生み出す」点が最大の特徴です。これは、過去のデータから傾向を学習して予測や分類を行う機械学習や、画像や音声などの入力を「識別」することを目的とした識別AI(判別モデル)とは大きく異なります。

例えば、識別AIが「これは猫か犬か」を見分けるのに対して、生成AIは「猫の画像をゼロから作り出す」ことができます。つまり、情報を「判別するAI」から「創り出すAI」へと進化しているのが、生成AIの位置づけです。

上記の表では、それぞれの技術の目的や役割の違いをわかりやすく比較しています。用途や導入目的に応じて、適切な技術を選ぶことが重要です。

企業で導入するには?

生成AIを企業で導入する際は、いきなり本格展開するのではなく、段階を踏んで進めることが重要です。業務や体制に合った活用方法を見極めながら、小さく始めて大きく展開しましょう。以下では、導入の基本的な流れと、社内説明の際に押さえておきたいポイントを解説します。

導入フロー5ステップ(PoC → 社内展開)

生成AIを企業に導入する際は、以下の5ステップで進めます。

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項目内容
目的の明確化生成AIを使って「何を改善したいのか」「どの業務を効率化したいのか」を明確にします。目的があいまいだと効果を測れず、活用が定着しません。
対象業務の選定まずは少人数で運用できる業務や、試験的に効果を測定しやすい業務を選びます。例:マニュアル作成、FAQ対応、SNS投稿案の作成など。
PoC(概念実証)の実施小規模なテスト導入で、実際にどの程度の効果やリスクがあるかを検証します。使用感や出力精度、業務へのフィット感を確認するフェーズです。
運用体制の整備本格導入前に、利用ルールや情報管理の方針、チェック体制などを整備します。必要であればマニュアルや教育コンテンツを作成します。
社内展開・スケールアップPoCの成果をふまえ、社内全体へ展開します。部署ごとのニーズに応じた活用方法やトレーニングも重要です。
生成AIを企業で導入するためのステップ一覧表

上記はPoCがうまくいった場合のケースですが、うまくいかなかった場合は再度前の段階に戻り、目的や対象業務を見直します。PDCAサイクルを回しながら、生成AIの導入を進めましょう。

社内説明のためのチェックポイント

生成AIの導入を社内で進めるには、関係者の理解と協力が不可欠です。以下のようなポイントを押さえて説明すると、スムーズに合意を得やすくなります。

  • 導入目的と期待できる効果は何か(時間短縮・コスト削減など)
  • 既存業務とどう連携するか(どこに取り入れ、誰が使うのか)
  • 出力結果の確認方法や責任の所在(人間の最終チェック体制)
  • セキュリティや機密情報の扱いはどうするか
  • 生成AIにできること・できないことの線引き

上記を整理して伝えることで、現場との認識ギャップを防ぎ、安心して運用をスタートできます。

なお、生成AIの社内導入マニュアルを確認したい方は、以下の記事をご覧ください。

国内の生成AIの活用事例

生成AIの導入に向けて、不安や課題もあるでしょう。具体的な活用事例を知ることで導入イメージがより明確になり、今後の検討に役立ちます。ここでは、ビジネスでの活用事例を150個紹介します。

事例①コカ・コーラ(情報検索システムの導入)

コカ・コーラでは、AIを使用した情報検索システムが新たに導入されました。

ユーザーの要求に応じて、社内のさまざまなデータファイルから必要な情報を抽出し情報提供を行っています。AIを活用することでより効率的に情報提供できるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

また、AIを活用して制作されたアート作品のプラットフォームも立ち上げています。(※8)

事例②オルツ(ゲーム開発)

オルツは生成AIを使用して、脱出ゲーム「きまぐれな部屋」を生成しました。「きまぐれな部屋」は、密室に閉じ込められたキャラクター「アイ」とチャットでコミュニケーションを取って親密度を高め、脱出を手助けするゲームです。(※9)

このゲーム内のチャットにはAI技術が使われています。オルツのWebサイト「altBRAIN」から実際にプレイできるので、興味のある方は一度プレイしてみてください!

事例③パナソニック(自社向けAIアシスタントサービス)

パナソニックは、業務効率化と社員のAIスキル向上を目的に、自社向けAIアシスタントサービス「ConnectAI」を展開しています。このサービスは、OpenAIの大規模言語モデルのChatGPTを基に構築されており、自社の公式情報を活用しています。特に注目すべき点は、このAIアシスタントが提供する機能の多様性です。(※10)

社内の情報提供はもちろんのこと、セマンティック検索技術を採用することで、従来のキーワード検索より精度の高い検索結果を実現しています。また、音声入力や回答の引用元表示機能の開発により、社員はより簡単に情報を検索し、その回答の真偽を確認できるようになっています。

さらに、2023年10月以降はカスタマーサポートセンターでの利用も計画されています。AIの活用により、顧客からの問い合わせに対してスピーディーな対応が可能になり、顧客満足度の向上にもつながることでしょう。

事例④アサヒビール(社内情報検索システム)

アサヒビールは、株式会社丹青社と連携し、生成AIを社内情報検索システムに導入しました。このシステムは、社内の豊富なデータベースからPDF、Word、PowerPointなどの異なる形式の資料をデータ化し、検索可能にすることで業務効率化を目指しています。(※11)

「Azure Cognitive Search」と「Cosmos DB」を使用することで、検索結果には資料の概要、サムネイル、100文字程度の要約が表示されるようになっています。

また、異なる形式の文書を統合的に扱うことができるため、情報検索の手間を大幅に削減し、よりスムーズな業務運営が期待できます。

事例⑤旭鉄工株式会社(改善事例の蓄積と共有)

旭鉄工では、生成AIを活用して製造現場の改善事例を蓄積し、共有しています。従業員が簡単に必要な情報を収集できるような仕組みを作り、ChatGPTにノウハウ集の内容を読み込ませることで、自然言語での質問に対して最適な改善事例を回答できるようにしました。(※12)

旭鉄工は愛知県で自動車の金属加工部品を製造しており、IoT(モノのインターネット)を活用したシステムを自社で開発し大きな成果を上げています。特に注目すべきは、2015年度比で年間約4億円の労務費削減と、電力消費量の26%削減に成功している点です。

また、旭鉄工は「横展アイテムリスト」と呼ばれる改善のノウハウ集を作成したことで、改善方法が属人的に管理される問題を解消し、早期の問題対策と人材育成を実現しています。

このリストでは、「要らなくする」「待ちを短くする」「同時に行う」などの上位概念を設定し、改善活動のアイデア出しに活用しているそうです。

事例⑥江崎グリコ株式会社(AIチャットボットでバックオフィス業務を削減)

江崎グリコ株式会社は2023年3月より、Allganize Japan株式会社が提供するAIチャットボット「Alli」を導入しています。(※14)バックオフィス部門での問い合わせ業務削減を目的に導入し、年間1万3000件以上発生していた問い合わせを約31%削減したとのことです。

なお、数あるAIチャットボットのなかから「Alli」を選んだのは、ITに詳しくない方でも容易にメンテナンスできるためです。一部の人間にしか扱えないシステムを導入しても、業務の属人化が進んでしまうので、こういった姿勢は見習いたいですね!

事例⑦ヤマト運輸株式会社(生成AIで配送業務量を予測)

ヤマト運輸株式会社は2021年8月より、生成AIを活用した配送システムを導入しています。(※15)これは、アルフレッサ株式会社との共同によるもので、ヘルスケア商品の共同配送スキームを構築する際に開始したものです。

導入したのは、配送業務量を予測するシステムと適正配車を支援するシステムの2つ。生成AIが蓄積しているビッグデータから、販売・物流・商品・需要トレンドを分析できるのが特徴です。

分析したデータは、顧客毎の注文数・配送発生確率・納品時の滞在時間などを予測するのに役立てられます。過去のデータに基づいて予測するといった業務は生成AIの得意とするところなので、ぜひ活用していきたいですね!

事例⑧パルコ(広告動画やナレーション、音楽を生成AIで作成)

パルコは画像生成AIを活用し、ファッション広告を作成しました。この広告では、実際の人物や場所を使った撮影を行わず、生成AIにプロンプトを入力して制作されました。そのため、グラフィックや動画、ナレーション、音楽などすべて生成AIが作成したものです。(※16)

実際に撮影したかのようなこの広告は、世界中からも注目され、モード間のある新しい表現の広告と言われています。企業として前例のない新しい技術をいち早く取り入れることも、企業としての存在意義であると考えているとパルコでは考えられており、今後の動向には注目です!

事例⑨株式会社ビズリーチ(生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率の向上)

転職プラットフォームの株式会社ビズリーチは、2023年7月6日、転職に必要な「職務経歴書」を生成AIで作成できる機能を発表しています。希望する職種やポジション、業務領域などを選択や記述するだけですぐに職務経歴書を完成させられるようになりました。(※17)

転職活動では、転職希望者のスキルや経験を言語化し、文章化するのがハードルになっているため、転職が思うように進まないケースが多いといいます。この機能では、入力項目は4か所のみとなっているため、簡単に職務経歴書ができるのが特徴です。実際にこの機能を使うことで、スカウト率が40%も向上したという結果も出ています

事例⑩株式会社学研ホールディングス(生成AIによる個別アドバイス提供)

株式会社学研ホールディングスは、ChatGPTを活用し、オリジナル学習システム「GDLS」を2023年7月12日に提供を開始しました。このシステムは、生徒一人一人の学習履歴や理解度に基づいて適切なアドバイスを提供できるものとなっています。(※18)

さらに、学習アドバイスを行うだけでなく、毎日ログインする習慣を促すように生徒一人ひとりに合わせたメッセージを送ってくれます。この結果、学習意欲の向上もできるようになったのです。

事例⑪出光興産

出光興産は、先進マテリアル部門にて生成AIを導入しています。※27

具体的には、検索拡張生成(RAG)の活用に注力することで、分析レポートの作成や技術サポートの業務を大幅に効率化したとのことです。

なお、同社が今回生成AIを導入できたのは、元々生成AIワーキンググループを立ち上げて生成AIの活用法を模索していたのが大きいと考えられます。

将来的に生成AIを導入したいと考えているなら、同社のように、社内全体で事前に生成AIへの理解を高めておきましょう。

事例⑫キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社は、自社グループが開発した生成AIツール「BuddyAI」を国内従業員約1万5,000人向けに提供しています。※28

おもにマーケティングにおける情報収集や市場分析に活用しており、先行導入したテスト版は400人が利用して年間合計39,000時間の削減を達成できたとのことです。

今回の成功の裏には、生成AIを利用する全従業員を対象としたEラーニングの導入や、「DX道場」での生成AI関連講座の拡充が大きいといえます。

事例⑬住友商事

住友商事は、Microsoftが提供している「Copilot」を全社で導入し、今では9,000人以上が利用しています。※29

おもな使い道は、メールの下書き・資料の作成・Web会議の要約などです。

なお、多くの企業が小規模で導入してから情報に利用を拡大させていきますが、同社の場合は最初から全社向けに大きく展開しています。

これは経営層のコミット力の高さが大きな要因となっているので、スピード感を持って生成AIを導入したい方は、経営層を巻き込むことを意識してみてください。

事例⑭ライフネット生命保険

ライフネット生命保険は、社内用生成AIを独自に開発しており、2025年1月時点で全社員の87%が利用しています。※30

導入から2ヶ月で利用者の計152時間の業務時間を削減するといった、大きな成果をあげました。

同社が実施した社内調査によるとアイデアの壁打ちや情報の調査、数式やプログラムの記述といった用途で使用しているとのことです。

事例⑮明治安田生命保険

明治安田生命保険は、営業活動を支援する目的でAIエージェント「MYパレット」を社内に導入しています。※31

約36,000人が利用しており、顧客の属性を分析したり、顧客のライフステージに合わせたサービスを提案する用途で使用しているとのことです。

その結果、報告業務や訪問前の準備にかかる時間を従来比で30%削減することに成功しています。

 海外の生成AI活用事例

続いて、海外の生成AI活用事例について紹介します。

  • スターバックス
  • Uber Eats
  • Amazon
  • Netflix
  • Gucci
  • Google
  • H&M
  • Mastercard

国内とはまた違った視点で活用されているケースもあるので、生成AIを導入する際の参考になるはずです。

以下でそれぞれの事例を詳しくみていきましょう。

スターバックス(ビッグデータを店舗運営に活用)

世界に3万を超える店舗を出店しているスターバックスでは、顧客との取引が膨大に発生する強みを活かして、生成AIやビッグデータを店舗運営に活用しています。(※19)

顧客データを集めるのは容易ではありませんが、スターバックスはスマホアプリやリワードプログラムで効率的に集めているのが特徴です。

集めたデータは、顧客におすすめの飲み物を提案したり、新店舗の場所を決める際に使われたりします。

とくに、スターバックスは多くの店舗を抱えているため、既存店舗との兼ね合いを生成AIが判断してくれるのはかなり便利ですよね!

Uber Eats(AIアシスタントが注文プロセスを支援)

Uber Eatsは、アプリ内にAIアシスタントを導入することで、顧客の注文プロセスを支援しています。(※20)具体的には、新しい食事のアイデアを提案してくれたり、お得な情報を探して提案してくれるのが特徴です。

また、過去に注文した食事を再注文してくれる機能もあります。いちいち自分で店舗を検索する手間がなくなるので、これはかなり便利ですね!

なお、モデルには、Google PaLMを使用して構築しつつ、独自に微調整した大規模言語モデルを使用しています。

Amazon(生成AIでサプライチェーンを最適化)

Amazonは、配送業務を効率化するために、さまざまな場所で生成AIを活用しています。(※21)商品を適切な場所に保管するサプライチェーン最適化テクノロジー(SCOT)がその一例です。

SCOTには、ディープラーニングと膨大なデータセットが用いられており、1日に4億以上の商品の需要予測をサポートしています。これにより、膨大な数の商品の出荷量を調整し、Amazonのどの拠点でどの商品を仕入れるのかを決定しているとのことです。

Netflix(画像生成AIでアニメを制作)

Netflixは、試験的な取り組みとして画像生成AIを活用してアニメ制作をおこないました。(※22)「犬と少年」と名付けられた3分の短い動画作品をYouTubeに公開し、SNS上で大きな反響を呼んでいます。

もちろん、クオリティに関する批判の声もいくつか確認されており、制作側も画像生成AIの限界に直面したとコメントしています。

なお、Netflixがアニメ制作で画像生成AIを活用したのは、アニメ業界全体が抱える人手不足の問題を解決するためです。今回は背景画の作成を生成AIに任せたとのことですが、実際は生成AIが思い通りの絵を描いてくれることはなかったようです。

Gucci(生成AIが購入履歴に基づきおすすめ商品を提案)

世界的なファッションブランドとして知られるGucciも生成AIを活用しています。(※24)顧客の購入履歴に基づいておすすめの商品を提案できるので、顧客の購買意欲が高まったようです。

実際、顧客に生成AIを使っておすすめの商品を提案したところ、より多くのものを買ってくれたという報告もあります。生成AI導入後は、一夜にして売上高が30%向上したという衝撃発言も出ているので、かなり効果があったようです。

Google(医療画像の診断や疾患を生成AIで予測)

Googleは医療診断の精度の向上を目指して、医療用AIツールを開発しました。医療用AIツールは「CoDoC」と呼ばれており、AI予測と医師の診断結果を組み合わせて、医療提供者の負担を軽減することも目的の1つとしています。(※24)

実際には「乳がん検診の偽陽性の削減」で25%の削減に成功したことや臨床医の読影が必要な症例数を3分の2削減に貢献しているという結果がでました。CoDoCは外部パートナーと協力し、システムの向上を行う予定としています。

H&M(生成AIがファンショントレンド予測と在庫管理の効率化提案)

ファッションブランドであるH&Mは、生成AIを使いトレンド予測とそれに合った在庫管理の効率化に成功しています。200人を超えるデータサイエンティストを雇用し、独自のAIアルゴリズムを作成することで、売れ残りによる余剰在庫を減らすことに成功しました。(※25)

Mastercard(生成AIで不正利用の検出率を2倍に向上)

クレジットカードの国際ブランドであるMastercardでは、生成AIの利用で不正利用の検出率を従来の2倍に向上させることに成功しました。それ以外にも不正取引検知の誤検知を最大200%削減するだけでなく、悪意のある人物によって危険にさらされている加盟店を特定する速度が300%向上したと発表しています。(※26)

クレジットカード利用者が安心して使えるようになるのは嬉しいですよね。生成AIは我々の生活をより安全なものにする使い方もできるため、活用の幅は広いと言えるでしょう。

Electronic Arts

アメリカの大手ゲームソフト会社であるElectronic Artsは、アメリカのカレッジフットボールを題材とした「EA SPORTS College Football 25」の制作過程で生成AIを活用しています。※32

具体的には、AIを用いて11,000人の大学生を3Dスキャンし、ゲーム内キャラクターの作成に活かしているとのことです。

近年、グラフィックやキャラクター作成に生成AIを利用する動きが高まっていますが、今後もさらに活発になっていきそうですね!

VISA

VISAは、Visa Global Product DropにてVisa Intelligent Commerceを発表しました。※33

この取り組みは、ユーザーの代わりに商品を検索して購入するエージェント型AIショッピング体験の実現を目的としているとのことです。

目的の実現に向けて、カードの詳細をトークン化されたデジタル認証情報に変換する「AI対応クレジットカード」の提供も予定しています。

生成AIの使い方

生成AIを使う際には、入力と出力の関係を理解することが重要です。

例えば、テキストから画像を生成する生成AIでは「木の下で眠っている猫」というテキストを入力すると、AIはその情報に基づいた画像を生成してくれます。

以下の表は、生成AIがどのように機能するかの一例です。

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機能入力出力
チャットボットテキストテキスト
テキストから画像生成テキスト画像
テキストから音楽生成テキスト音楽
音声翻訳音声音声
画像からキャプション付与画像テキスト

特に、ChatGPTのような入力が「テキスト」のAIでは、プロンプトと呼ばれる入力文が重要です。なぜなら、プロンプトの書き方によってAIの出力精度が大きく左右されるからです。

例えば「明日の天気は?」と尋ねると、AIはあなたの現在地に基づいた天気予報を答えます。一方で「明日の東京の天気は?」と具体的に尋ねると、よりユーザーの意図に合った天気予報を答えてくれるでしょう。

プロンプトが具体的になるほど、生成AIは正確かつ関連性の高い回答を返します

生成AIを利用するメリット

生成AIを利用するメリットは、おもに以下の5つです。

  1. 業務の効率が上がる
  2. アイデア出しがスムーズにできる
  3. ミスの削減や予防に役立つ
  4. 高度な知識や技術を必要とするタスクを誰でもこなせる
  5. データ収集や分析を効率的にできる

とくに、業務の効率向上に大きく貢献できるのが魅力です。アイデア出しなどで活用すれば、商品やサービス開発をスムーズにおこなえます。

また、コーディングタスクなどで使用することで、ミスの削減や予防に役立つのも特徴です。データ収集や分析も得意としているので、マーケティング戦略などにも活かせます。

生成AIを利用するデメリット

便利な生成AIですが、以下のようなデメリットも存在します。

  • 間違った情報を出力する可能性がある
  • 情報が古い可能性がある
  • 生成したコンテンツが著作権侵害に該当する可能性がある
  • 入力した情報が漏洩してしまう危険がある

よくあるのが、間違った情報や古い情報を出力してしまうケースです。これはモデルの学習次第で異なるのですが、多くの生成AIは学習した時点の情報までしか正確に答えられません。

また、生成した画像や動画が著作権侵害に該当する可能性もあるので注意しましょう。モデルによっては、入力した情報が漏洩してしまう危険もあるので、社外秘の情報を無闇に入力しないことが大切です。

生成AIの種類

生成AIサービスは2025年現在、かつてないほど多様化が進んでいます。テキスト生成に特化したもの、画像・音声・動画など特定のモダリティに強みを持つもの、さらには複数のメディアを横断的に扱うマルチモーダルAIまで、選択肢は広がり続けています。

ビジネスや創作活動で生成AIを活用するには、「自分の目的に合ったツールはどれか」を見極めることが重要。ここでは、主要な生成AIの種類とその特徴、代表的なサービスを紹介します。代表的な生成AIは、以下の通りです

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AIの種類特徴代表サービス
テキスト生成テキストを理解し、それに合わせたテキストを生成できるChatGPT
画像生成テキストなどの条件をもとに、画像データを生成できるMidjourneyDALL-E
動画生成テキストなどの条件をもとに、動画を生成できるSoraRunway
音声生成音声や音楽を生成できるAudioPaLM
マルチモーダル複数の種類のデータを統合的に処理できるSeamlessM4TChatGPT

それぞれの詳細について、順番にみていきましょう。

テキスト生成

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サービス名主な特徴・用途備考
ChatGPT(GPT-5/GPT-5.1/GPT-5.2)汎用的な対話・文章生成、マルチモーダル対応、プラグインで機能拡張Free: 無料(制限あり)
Plus: $20/月
Pro: $200/月
Claude 4(Opus 4.5/Sonnet 4.5/Haiku 4.5)長文処理(200K+トークン)、コーディング支援、論理的推論に強い。Opus 4.5はコーディング性能が世界最高水準Free: 無料(制限あり)
Pro: $20/月
Max: $100-200/月
Gemini 3 Pro / Deep ThinkGoogle全サービス連携、マルチモーダル、推論機能「Deep Think」搭載。検索・Workspace統合Free: 無料(制限あり)
Pro: $20/月
Ultra: $36,400/年
Llama 4(Scout/Maverick)オープンソース、ネイティブマルチモーダル、超長コンテキスト(1000万トークン)、カスタマイズ性高、ローカル実行可能技術者向け。自社サーバーで運用可。AWS Bedrockで利用可
Microsoft 365 CopilotOffice 365統合(Word/Excel/PowerPoint/Teams)、企業向け機能充実、セキュリティ重視、AIエージェント機能強化個人向けCopilot Pro: $20/月
法人向けアドオン: ¥4,722/ユーザー/月
テキスト生成AI一覧表

テキスト生成AIは、機械学習と自然言語処理技術を利用し、人間が理解できる自然なテキストを生成する技術です。テキスト生成AIは、コンテンツ作成・レポート作成・チャットボットの対話など、さまざまなアプリケーションで使用されます。

テキスト生成AIの精度は、使用されている言語モデルによって異なります。AIモデルが学習するデータの質や量に依存し、例えば英語や日本語など言語の情報量によっても精度は違うでしょう。世界で最もよく使われている英語の回答精度は、他の言語の回答精度より高い傾向にあります。

ChatGPTなどでは、まるで人間が答えを返しているかのような高精度な回答が可能です。

画像生成

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サービス名主な特徴・用途備考
Stable Diffusion 3.5オープンソース、ローカル実行可能、カスタマイズ性極めて高い、最新モデルは2024年10月リリース技術知識が必要だが自由度最高。商用・非商用問わず無料利用可
DALL·E 3ChatGPT経由で利用、高品質、プロンプト理解力◎、対話で微調整可能ChatGPT Plus: $20/月
初心者に最適
Midjourney v7アート的・芸術的表現に特化、構図センス抜群、フォトリアリスティック性能向上Basic: $10/月~Discord/Web経由。クリエイター人気。2025年8月より無料トライアル25枚復活
Adobe FireflyAdobe製品統合、商用利用の権利クリア、安全性◎、企業向け企業利用で安心。著作権問題対策済
Canva AIデザインテンプレート豊富、SNS素材作成に最適、初心者向けUIデザイン初心者向け。手軽さ◎
Google Imagen 3Google最新の画像生成AI、高品質、プロンプト理解力向上Geminiエコシステム内で利用可
画像生成AI一覧表

画像生成AIとは、テキストやデータを入力することで自動的に新しい画像を生成する技術です。DALL-E 3のような画像生成AIは、学習元となる画像をAIツールに入力すると入力画像をAIが学習し、それらの画像の特徴を持った全く新しい画像を生成します。

大量の画像データを学習に使えるため、画像生成AIはAI技術の中でも特に進化の速い分野です。最近の画像生成AIツールはどれも精度が高いので、ぜひ一度使ってみてください!

動画生成

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サービス名主な特徴・用途備考
Sora 2(OpenAI)最大60秒の高品質動画、物理法則の理解◎、音声・効果音同時生成、会話同期対応2025年9月リリース
Runway Gen-4.5プロ向け動画編集+生成、マルチモーダル、カスタマイズ性高、Veo 3/Sora 2を凌ぐ性能Standard: $15/月
Pro: $35/月
Unlimited: $95/月
Google Veo 3高品質動画生成、最大8秒、物理演算精度向上、プロンプト理解力強化Geminiエコシステム内で利用
Pika 2.2テキスト→動画、初心者向け、手軽さ重視、UI改善$10/月~
Kling AI高品質動画生成、最大5分、リアルな動き、中国発中国発。品質は高いが言語対応限定的
Luma Dream Machineシンプルで高速、カメラワーク指定可能、初心者向け初心者でも扱いやすい
HeyGenアバター動画生成、多言語音声リップシンク、プレゼン動画向け$29/月~
動画生成AI一覧表

動画生成AIは、自動的に動画を作成する技術です。現状、一般公開はされていないですが、2024年2月にOpenAI社が公表した新しいText-To-Videoモデルの「Sora」は世界に新たな衝撃を与え、現在最もホットな分野のひとつです。テキストや画像などの情報を入力すれば、映像や音声を組み合わせて新しい動画を生成します。

動画生成AIは、映画制作・広告・教育コンテンツ・ゲーム開発・報道など幅広い分野で活用され、PoC開発にも役立っています。例えば、特定のキーワードやテーマに基づいたプロモーションビデオの自動生成などが可能です。

さらに、3Dアニメーションや仮想現実(VR)コンテンツの生成やリアルタイムでの動画編集など、より複雑なタスクに対応できるようになってきています。

特にSoraは、画像を入力としてアニメーション化する、動画を入力して動画の一部を編集する、複数の動画をつなげるなどの複雑で高度な作業も自動化できます。

音声生成

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サービス名主な特徴・用途備考
CoeFont v3 Fuji日本語音声合成、声のクローン作成、自然な抑揚、有名人ボイス利用可東京科学大学発。日本語品質トップクラス
Suno v5AI作曲・音楽生成、歌詞付き楽曲、100以上のジャンル対応、日本語ボーカル大幅改善Free: 1日5曲
Pro: $10/月
ElevenLabs多言語音声合成(29言語+)、感情表現豊か、声のクローン、商用利用可Starter: $5/月~
VOICEVOX日本語音声合成、無料、商用利用可能、キャラクター音声、コミュニティ活発オープンソース。動画投稿者に人気
音読さんテキスト読み上げ、登録不要、すぐ使える、シンプルUI短時間ナレーションに最適
音声生成AI一覧表

音声生成AIは、音声入力やテキスト入力を基に新たな音声を生成する技術です。例えば、ある一人の声を大量に学習させると、その声質を再現した声でさまざまな文章を自由に話す音声を生成します。

また、音声生成AIを用いれば、音楽の自動生成も可能です。例えば、プロンプトで「エモいLo-fiの曲を作って」と入力すると、そのテキストに沿った音楽を簡単に生成できるツールもあります。

マルチモーダルAI

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サービス名主な特徴・用途備考
ChatGPT(GPT-5系)テキスト・画像(DALL·E 3)・音声を統合処理、プラグインで機能拡張最も汎用性が高い。マルチモーダル標準搭載
Gemini 3 ProGoogle全サービス連携、Gmail・Docs・Sheets統合、Deep Think推論Workspaceユーザーに最適
Microsoft 365 CopilotWord/Excel/PowerPoint/Teams統合、企業向けセキュリティ、AIエージェントエンタープライズ導入が進む。
個人向けCopilot Pro: $20/月
Claude 4(Sonnet 4.5/Opus 4.5)長文処理+マルチモーダル、「アーティファクト」機能で成果物作成、コーディング世界最高水準コード・ドキュメント作成に強い。
Notion AIノート・ドキュメント作成支援、社内Wiki統合、ナレッジベース活用ナレッジベース活用企業向け
Slack AIチャット要約、検索強化、スレッド整理、コミュニケーション効率化コミュニケーション効率化
マルチモーダルAI一覧表

マルチモーダルAIとは、テキスト・画像・音声・動画など、人間の脳のように複数の種類の情報(モーダル)を一度に処理・解析できるAI技術です。従来のAI技術では、テキストや音声など1種類の情報だけを処理可能でした。これを「シングルモーダルAI」といいます。

これに対してマルチモーダルAIは、複数のデータ形式を統合して高度な生成を実現します。ChatGPTはもともとテキスト生成のみに対応するシングルモーダルAIでしたが、2023年9月のGPT-4V実装により画像解析機能と音声出力機能が追加され、マルチモーダルAIになりました。

なお、マルチモーダルAIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

生成AIの機械学習について

生成AIには、機械学習という技術が大きく関係しています。機械学習とは、機械(コンピューター)が大量のデータをインプットしてデータの集合の中に存在するパターンを発見・認識する技術です。

機械学習の代表的な手法は、以下の4つです。

  • 教師あり学習
  • 教師なし学習
  • 強化学習
  • 深層学習(ディープラーニング学習)

生成AIの中核となるAIモデルにも機械学習の手法が用いられており、ChatGPTのGPTでは深層学習という手法を用いています。

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大カテゴリ小カテゴリ特徴仕組み活用例・代表サービス
教師あり学習回帰モデル数値を予測適切な直線を引く不動産や株価の価格予測
分類モデルクラスを予測適切な決定境界を引く画像分類
教師なし学習クラスタリングデータをグループ分けデータ間の類似度を計算顧客のセグメンテーション
主成分分析データの情報量を圧縮分散が最大となる方向を軸としてデータを変換身長と体重からBMIへの変換
強化学習タスクの報酬を最大化プログラムが与えられた環境を観測し、より価値のある行動を学習囲碁AIや将棋AI
深層学習GPT文章の次単語予測・生成Transformerのデコーダを事前学習ChatGPT
VAEデータの特徴を表現する潜在変数を求めてデータを生成オートエンコーダを利用して、潜在変数に確率分布を用いる人の顔画像の編集
GAN2つのニューラルネットワークを用いてデータを生成識別器と生成器を競わせてデータを学習DALL・E
拡散モデルノイズ除去によるデータ生成データにノイズ付与した後、ノイズ付与の過程を学習させるStable Diffusion
機械学習の代表的な手法

教師あり学習(Supervised Learning)

ここでは、機械学習の一手法である教師あり学習について解説します。教師あり学習とは、既知の入力データと出力データを「正解」としてAIモデルを訓練し、学習したルールやパターンを基に未知のデータの出力を予測する手法です。

教師あり学習には「回帰モデル」と「分類モデル」があります。それぞれについて詳しく見てみましょう。

回帰モデル

回帰モデルとは、連続値の入力を用いて将来や未知の事例を予測する教師あり学習の一手法です。ある結果に関連する要因がどの程度影響を与えているかを、以下のように関数の形で明らかにします。

上記の散布図は、ある地域における住宅価格と駅からの距離の関係を表したものです。横軸が「駅からの距離」、縦軸が「住宅価格」です。

回帰モデル例

駅からの距離が遠くなるほど、住宅の価格は下がることが分かります。駅に近いと移動に便利なので、その分価値が高いということですね。

結果を数値化したものを「目的変数」といい、要因を数値化したものを「説明変数」といいます。この例では、住宅価格が目的変数、駅からの距離が説明変数です。

分類モデル

分類モデルは、入力データを属性ごとに分類したいときに使用されるモデルです。異常値検出や画像診断、スパムフィルタなどに活用されます。

例えば、正解データを使って学習したルールやパターンを基に受信したメールがスパムメールかどうかを判別し、スパムフォルダに入れるなどの効率化に役立ちます。

分類モデル例
参考:https://best-biostatistics.com/summary/kyoushi.html

2つのカテゴリに分類する場合は「2値分類」、2つ以上のカテゴリに分類する場合は「多値分類」と呼びます。

教師なし学習(Unsupervised Learning)

続いて教師なし学習について解説します。

正解データを訓練データとして学習に使う教師あり学習とは違い、正解データを与えずにAIモデルを学習させる手法です。入力データ群から似たような特徴を持つデータをグルーピングする、データの特徴量(変数)を少ない特徴量で表してデータを扱いやすくするなどの活用法があります。

ここでは、「クラスタリング」と「主成分分析」について詳しく解説します。

クラスタリング

クラスタリングとは、AIモデルがデータから特徴を学習し、類似性に基づいてグループ化する手法です。クラスタリングによってできたグループのことを「クラスタ」と呼びます。ウォード法やk-meansなどの手法があり、以下の図はk-meansの例です。

クラスタリング例

クラスタリングは分類モデルと似ていますが、訓練に正解データを使う分類モデルに対して、クラスタリングでは正解データは利用しません。

主成分分析

主成分分析(PCA)は、データの特徴量(説明変数)を削減し、新たな説明変数(主成分)にすることでその内容を理解しやすくする分析手法です。分散が最大となる方向を見つけ出し、新たな軸としてデータを変換します。データの次元を減らせるため、データ解釈が容易になります

主成分分析例
参考:https://www.intage.co.jp/glossary/401/

例えば、上図のような6教科の成績(多次元のデータ)をそれぞれ文系と理系の成績(2次元のデータ)に変換するなどの処理が可能です。

強化学習(Reinforcement Learning)

強化学習とは、AIモデルが試行する度に報酬を与え、思考錯誤を繰り返して報酬を最大化するような意思決定の仕方を学習させる手法です。試行が適切であるほど高い報酬を与えるため、AIモデルは次第に報酬を高くする方法を学んでいきます。

強化学習例
参考:https://www.sbbit.jp/article/cont1/49076

強化学習の目的は、環境変化に対応できるAIモデルを構築することです。刻一刻と状況が変化する中で最適な判断が必要となる、自動車の自動運転システムなどに活用されています。強化学習には、Q学習やモンテカルロ法などの手法が用いられています。

深層学習(Deep Learning ディープラーニング)

深層学習は、人間の脳の神経回路の仕組みを模してAIモデルの学習能力を高める手法です。入力に対して重みづけしたデータを出力するニューロンを、何層にも重ねたものをディープニューラルネットワークと呼びます。

「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つは、人間が目的に適した手法を選ぶ必要がありますが、深層学習では、人間が介在しなくてもAIモデルが学習の過程でデータの特徴を認識できます。

音声・画像・自然言語処理など抽象的なデータに対する処理性能が高く、2000年代末から2010年代にかけて急速に普及しました。ここでは、深層学習を用いたAIモデルを紹介します。

GPT

GPT(Generative Pre-trained Transformer)は、OpenAI が開発した大規模言語モデルです。

Transformerと呼ばれる2017年にGoogleが公表した大規模言語モデルのデコーダ部分を利用しており、高度な文章生成能力や複雑な文章理解力を有しています。GPTはChatGPTに実装されているAIモデルです。

2024年4月時点で最新のGPT-4 は、GPT-3やGPT-3.5 の上位モデルです。一回あたりに入力できる質問の文字数は日本語で最大25,000 文字、出力の応答長は2048単語で、長文にも対応しています。

変分オートエンコーダ(VAE:Variational Autoencoder)

VAEは、学習したデータの特徴を捉え、類似の画像を生成する生成モデルです。データの高次元分布を低次元の「潜在変数」にマッピングするために用います。

VAE例
参考:https://zero2one.jp/ai-word/variational-autoencoder/

エンコーダとデコーダという2つの要素から構成され、まずエンコーダで入力画像を潜在変数に変換し、その後デコーダにより潜在変数から新しい画像を生成します。

VAEは、潜在変数が確率分布に従うように設計されたモデルです。新しいデータを生成したり、欠損データを補完したりする際により柔軟なモデリングが可能になりました。

GAN(Generative Adversarial Network)

GAN例
参考:https://zero2one.jp/ai-word/generative-adversarial-network/

GANは「生成器(Generator)」と「識別器(Discriminator)」という2つのニューラルネットワークを競わせながら、データを学習させる生成モデルです。

  • 生成器:識別器をだますようにデータを生成
  • 識別器:「本物のデータ」か「生成器によって作られたデータか」を見分ける

生成器と識別器の違いは上記の通りです。

拡散モデル

拡散モデルは、画像やテキスト・音声などのコンテンツを段階的に劣化させた後、劣化の過程をさかのぼり、再構築する過程を学習させた生成モデルです。

下図は、右から左にかけて画像にノイズを加えた後、次に左から右にかけてノイズを除去しています。拡散モデルにも色々なモデルがあり、下図は「DDPM」という種類の拡散モデルです。

拡散モデル例
参考:https://arxiv.org/pdf/2006.11239.pdf

GANやVAEよりも高品質の画像を生成することに成功しており、様々な分野への応用が期待されています。Transformerに次ぐ画期的な生成モデルとして今後も目が離せない分野です。

【無料あり】生成AIの代表的なサービス

スクロールできます
生成AIサービスAIの種類開発会社機能・特徴HP
ChatGPTマルチモーダルOpenAIテキストでプロンプトを入力すると、その内容に沿ったコンテンツが生成されるhttps://chat.openai.com/
Midjourney画像生成デビット・ホルツ氏の研究チームテキストでプロンプトを入力すると、その内容に沿った画像が生成されるhttps://www.midjourney.com/home/?callbackUrl=%2Fapp%2F
Runway動画生成Runwayテキストから動画を生成するhttps://runwayml.com/
AudioPaLM音声生成Google音声認識・翻訳・音声合成が可能https://google-research.github.io/seanet/audiopalm/examples/
SeamlessM4TマルチモーダルMeta音声とテキストを用いて翻訳および文字起こしを行うhttps://ai.meta.com/blog/seamless-m4t/
Stable Diffusion画像生成Stability AIテキスト入力で高品質な画像を生成できるhttps://ja.stability.ai/stable-diffusion
DALL-E3画像生成OpenAIChatGPTに搭載されている画像生成AIhttps://openai.com/index/dall-e-3/
GeminiマルチモーダルGoogleGoogleのさまざまなサービスと連携できるhttps://gemini.google.com/app?hl=ja
Llama3マルチモーダルMetaさまざまなタスクをこなせるオープンソースのLLMhttps://github.com/meta-llama/llama3
Adobe Firefly画像生成Adobeテキストから画像を生成https://www.adobe.com/jp/products/firefly.html
Canva画像生成Canva Pty Ltdテキストから画像を生成https://www.canva.com/
生成AIの代表的なサービス

生成AIを利用できるサービスの例もご紹介します。テキストベースのツール、画像を生成できるツール、動画を作れるツールなど便利なサービスが数多くリリースされています。たくさんの種類があるので、気になるサービスがあったらぜひ使ってみてください。

ChatGPT

ChatGPTは、OpenAI社が2022年11月に公開したAIチャットボットです。インターネット上に存在する大量のデータを学習し、人間が生成するような自然なテキストを生成できる大規模言語モデル(LLM)です。ユーザーが入力した質問に対して、自然な対話形式で答えてくれます。

最近では、音声や画像、動画の生成も可能になり、マルチモーダルAIとして進化を遂げました。

ChatGPTは、基本的に無料で利用できますが有料版と比べて制約があり、モデルの性能は劣ります。有料のアップグレード版であるChatGPT Plus / Team / Enterpriseでは月額$20〜で、最新のGPT-4が利用可能。さらに生成AIツールが自作&共有できるGPTsも解放されます。

日本語や英語以外にも、スペイン語・中国語など、さまざまな言語に対応しています。

Midjourney

Midjourneyは、テキストプロンプトから画像を作成する画像生成AIです。Discordというチャットアプリから、チャット形式で操作して利用します。アメリカのデビット・ホルツ氏の研究チームが開発したAIで、Twitter上でMidjourneyの画像が拡散され話題を集めました。

テキストを入力すると、そのキーワードや文章に適したイラストや画像を生成します。例えば「猫」と入力すると、猫の画像が生成されます。

Runway

Runwayは、テキストから動画を生成する生成AIツールの開発をしている企業です。Stability.AIとの協力により「Stable Diffusion」という、テキストから画像を生成するAIも開発しています。Runwayは2023年、Google、Nvidia、Salesforce Venturesなどから1億4,100万米ドルの資金調達に成功しました。(※1)

ツールの利用は無料で、アカウントを作成しプロジェクトを立ち上げるだけで誰でも簡単に動画編集を行うことができます。

AudioPaLM

AudioPaLMはGoogleによって開発された音声認識と音声生成に特化した大規模言語モデル(LLM)です。テキストと音声の両方を処理・生成する能力を持ち、テキストベースのLLM「PaLM-2」と音声ベースのLLM「AudioLM」を統合したモデルです

AudioPaLMの特徴は、音声を入力すると声色やイントネーションなどのパラ言語情報を抽出・保持できる点です。大量の多言語データセットで学習したPaLM-2の言語知識を活用しており、短い音声データを基に話者の声を別の言語に変換することもできます。

この技術が進化すれば、音声チャットや多言語対話をより自然に行えるでしょう。

SeamlessM4T

SeamlessM4Tは、Metaが発表したマルチモーダルAIモデルです。約 100 の言語のテキストと音声を認識し、翻訳結果をテキストまたは音声で出力できます。音声出力に対応する言語は、日本語を含む 36 言語です。

SeamlessM4T は、265,000 時間に及ぶ音声とテキストのアライメントを収集したマルチモーダル翻訳データセット「SeamlessAlign」とともに公開されました。

Stable Diffusion

Stable Diffusionは、テキストから高品質な画像を生成できる画像生成AIの一種です。とくに、細部まで精密に描ける点が魅力で、従来の画像生成AIよりも高解像度の画像を短時間で生成できます。

オープンソースとしても公開され、多くのクリエイターが自分の好みに合わせてカスタマイズしたり、新たな創作活動に活用しています。Webブラウザ上やローカル上など、ニーズに合わせてさまざまな使い方ができるので、ぜひ試してみてください。

DALL-E3

DALL-E 3は、OpenAIが開発した最新の画像生成AIモデルです。おもに、ChatGPTに搭載されており、チャット形式でテキストを入力すると指示に応じた画像を生成できます。

前バージョンのDALL-E2よりも、指示をより正確に理解し、複雑なシーンや概念をより自然に描写できるように進化しているのが特徴です。簡単なテキスト入力で、プロレベルの画像を生成できるため、クリエイティブなプロジェクトやデザイン業務において大きな可能性を秘めています。

Gemini

Geminiは、Google DeepMindが開発した次世代の生成AIモデルです。とくに、自然言語処理やマルチモーダルなタスクに優れた性能を発揮します。

また、大規模なデータセットを基に、テキスト生成・翻訳・対話などの複雑な言語タスクを高い精度でこなすのが特徴です。GoogleのAI技術の最先端を象徴するモデルとして注目を集めています。

GメールやGoogleマップなど、Googleの各種ツールと連携するとさらに便利に使いこなせるので、ぜひ試してみてください。

Llama3

Llama 3は、Meta(旧Facebook)が開発した大規模言語モデルで、自然言語処理において高い性能を有しています。Llamaシリーズの第3世代として、テキスト生成や質問応答、翻訳などのタスクでさらに高精度な結果を提供できるのが特徴です。

オープンソースで利用できるため、研究者や開発者がモデルを自由にカスタマイズできます。さまざまな用途に活用できるため、生成AI分野における幅広い応用が期待されています。

Adobe Firefly

Adobe Fireflyは、テキスト入力から画像生成できる生成AIです。写真やイラストを作成したり、テキストを編集したりと、デザインに役立つ様々なツールがそろっているのが特徴です。

たとえば、画像を生成するために「青い空に浮かぶ風船」といったテキストを入力すると、その内容に基づいた画像が作成されます。さらに、色の調整や背景の削除といった編集作業もAIがサポートします。PhotoshopやIllustratorなどのAdobe製品と連携しているため、デザイン初心者からプロまで、誰でも簡単にビジュアルコンテンツを作成することができ、人気の高い生成AIです

Canva

Canvaは、誰でも簡単にデザインを作成できるオンラインツールです。ポスター、SNS投稿、プレゼンテーションなど様々な用途に対応したテンプレートが豊富に用意されており、初心者でも直感的に操作できます。

テキストや画像、図形をドラッグ&ドロップで配置し、すぐにデザインが完成します。最近では、生成AIを活用してテキストを入力するだけでグラフィックが作成できる「マジックデザイン」機能も追加され、さらに手軽に高品質なデザインが作れるようになりました。

生成AIの国内における動向

生成AIの日本国内における動向を見てみましょう。PwC Japan、IDC Japan、NHKの3社の調査結果を基に解説します。

生成AIの普及と認知度の向上

PwC Japanの調査によると、2024年春における自社の生成AI活用の推進度合いと他社での活用(他者事例)への関心度は、半年前の秋に比べて向上しています。推進度合いは9%、他社での活用の関心度は4%増加しました。(※2)

また、2023年春時点では73%の回答者が社内における生成AIの活用推進度合を「わからない」もしくは「導入検討していない」と回答していたのに対し、1年後には91%が「活用中」「推進中」もしくは「検討中」と回答しています。

そして2023年秋に世界各国のCEOを対象に行った調査では、「業務での生成AI受け入れに同意する」と回答した割合が世界で40%未満であったのに対して、日本で50%という結果に。とくに、

  • ヘルスケア・病院・医薬・医療機器
  • 自動車
  • 重工業・産業機械・家電

の業界で世界に先駆けて生成AI活用が進んでいる、ということが明らかになりました。(※3)

これらの結果から、近年急速に生成AIのビジネスへの導入や活用が進んでいると推測できます。

企業における生成AIの活用

IDC Japanが2023年に実施した調査によると、日本国内の生成AIに対する期待が世界よりも高いことが示されています。生産性向上に役立つ社内向けの用途(コード生成、会話型アプリケーションなど)への期待が高い一方で、マーケティングアプリケーションへの期待は世界と同様に比較的低い傾向にあります。(※4)

生成AIに対する対応調査結果
参考:2023年 生成AIに関する企業ユーザー動向調査(国内と世界の比較)分析結果を発表

上図は、生成AIに対する企業の対応状況を調査した結果です。調査は2023年3月と7月に2回実施され、それぞれの結果を日本企業と日本以外の国(アジア、北米、欧州)で分けて示しています。

選択肢は、左から「まだ何もしていない」「可能性のある分野について検討を開始した」「2023年に生成AI技術に投資する/している」の3つです。青いバーは世界の企業(2023年3月)、水色は世界の企業(2023年7月)、緑は日本企業(2023年3月)、黄緑は日本企業(2023年7月)を表しています。

どの企業も3月に比べて検討や投資は進んでおり、何もしていないと回答した企業は3月よりも大幅に減っています。全体的に日本も世界の企業も同じ傾向にあるといえるでしょう。

国産生成AIの開発動向

NHKニュース
参考:国産生成AIの開発進む「豊富な日本語の学習データが強み」

日本国内での生成AI開発も進んでいます。NHKの報道によると、豊富な日本語学習データを強みとした国産生成AIの開発が進められており、さまざまな分野での応用が期待されています。

技術者や研究者の待遇改善が課題となっており、長期的な視点での研究環境の整備が必要とされています。(※5)

生成AI関連ビッグテックの日本参入

2023年末から、生成AI関連企業の日本参入が続々と発表されています。

まず2023年12月には、生成AI用のGPUを手がけるNVDIAのファンCEOが日本への研究拠点設置を表明。国産LLMの開発に追い風が吹きました。(※6)

さらに2024年4月には、OpenAIがアジア初のオフィス・日本支部「OpenAI Japan」の立ち上げを発表し、現在は東京都六本木にオフィスを構えています。。社長は、かつてAWSジャパンで日本にクラウドサービスを浸透させた長﨑忠雄氏。日本の生成AI文化の発展が期待されています。(※7)

生成AIの今後の展望と課題

生成AIは素晴らしい可能性を持っていますが、いくつかの課題もあります。例えば、以下のような点が挙げられます。

スクロールできます
項目内容
品質のばらつき生成されたコンテンツの品質が安定しないことがあります。
著作権問題生成されたデータが他の著作物を模倣している場合、法的な問題が発生することがあります。
誤情報のリスクAIが誤った情報を生成し、それが事実であるかのように広まるリスクもあります。
生成AIの課題一覧表

日本企業における生成AIの積極的な活用は、国際競争力を高める重要な要素となるでしょう。さらなる認知度の向上や専門人材の育成、適切なガバナンス体制の整備が今後の重要な課題です。

国産生成AIの開発では、日本独自の文化や言語を反映させることが、グローバルな競争において重要な差別化要因となります。

生成AIをビジネスで活用する方法

生成AIは、ビジネスにおいて以下のような活用例があります。

  • ブログのタイトル作成
  • キャッチコピー作成
  • メール文の作成
  • 文章の要約
  • プログラミングのコード生成
  • 自動応答チャットボットの構築
  • ビジネスのトレンド調査
  • 顧客エンゲージメントの向上

生成AIの活用により、作業時間を短縮でき作業者の負担も減らせるため、業務の効率化につながります。また、新しいアイデアを着想する、新しい視点からの洞察を得られることもあるでしょう。

以下で、活用例を具体的に紹介していきます。

ブログのタイトル作成

生成AIを使えば、ブログのタイトル作成を効率化できます。試しにChatGPTを使って、ブログのタイトルを作成してもらいました。

ブログタイトル作成例

プロンプトで数を指定することで、希望に応じた数量のタイトルを提案してくれます。自分で何もない状態からタイトルを考えるのは時間がかかりますが、これなら必要な部分を修正するだけなので、すぐにタイトルが完成しますね!

キャッチコピー作成

生成AIならキャッチコピーの作成も容易です。キャッチコピーを作成する商品やサービスのイメージを伝え、希望の条件を指定するだけで簡単に作成できます。

キャッチコピーも人間が何もない状態から作ろうとすると、簡単には思い浮かびません。生成AIがいくつかの案を出して、それを選ぶのもいいですし、対話を重ねながらよりよいキャッチコピーにしていくのもおすすめです。

メール文の作成

生成AIは、メール文の作成にも活用できます。筆者もChatGPTを使って、試しにメール文を作成してみました。

メール本文作成例

文章を考える手間が省けるのはもちろん、タイピングの手間も省けます。請求書用のメールなど、テンプレ化されやすいメールは生成AIに任せてもよいかもしれません。

文章の要約

生成AIを使えば、文章の要約も可能です。たとえば、難しい内容の論文や研究レポートなどを要約すると、内容を理解しやすくなります。

これは理解が難しい場合に便利なのはもちろん、長文を読んでいる時間がない時などにも有効です。ただし、要約の精度は使用するモデルの性能に依存するので、ChatGPTなどの高度な大規模言語モデルを使用するのがおすすめです。

プログラミングコード生成

生成AIなら、プログラミングコードも瞬時に生成できます。試しに、ChatGPTでプログラミングコードを生成してみました。

コーディング例

今回は、生成AI情報を発信するサイトのホームページといったかなり抽象的な指示だったのですが、しっかりとプログラミングコードを生成してくれています。

もっと具体的な指示を与えれば、かなり有用性は高そうです。

自動応答チャットボットの構築

生成AIを使えば、自動応答チャットボットの構築も可能です。チャットボット生成サービスにはさまざまなものがありますが、代表的なのはChatGPTのGPTsです。

チャットボットの構築にプログラミングの知識は必要なく、基本的にはチャット形式で対話を重ねることで完成します。チャットボットに必要なデータを学習させれば、自社のお問い合わせ用に使えるので、使い方次第で業務効率を大きく向上できます。

ビジネスのトレンド調査

生成AIは、大量のデータを瞬時に処理し、業界の最新動向や消費者の嗜好を分析する能力があります。この能力を活用することで、業界のトレンド調査を効率化できます。

たとえば、SNSやニュース記事を解析して、新興の市場ニーズや注目される技術を特定する使い方もあります。マーケティング戦略や商品開発に反映することで、迅速に市場の変化に対応可能です。

顧客エンゲージメントの向上

生成AIは、顧客エンゲージメントの向上にも大いに貢献可能です。生成AIを活用することで、個々の顧客の行動や嗜好を分析し、パーソナライズされたコンテンツや提案を自動で生成できます。

これにより、顧客は自分に合った製品やサービスに出会いやすくなり、満足度が向上するというわけです。また、顧客とのコミュニケーションも円滑になり、ブランドへの忠誠心が高まる効果も期待できます。

生成AIの危険性や問題点

生成AIは幅広く活用でき便利な反面、危険性も潜んでいます。ここでは、生成AIの問題点・危険性についてご紹介します。

情報漏洩のリスク

生成AIを利用する際には、情報漏洩のリスクに注意する必要があります。生成AIは入力された情報をもとに学習するため、そのまま使用すると個人情報や機密情報であっても同様に学習されてしまうのです。可能性は低いものの、情報が不正利用されることも考えられます。

情報の信憑性

ChatGPTは、インターネット上の情報を活用して回答を生成しています。ただし、このためにChatGPTの回答の正確性は保証されておらず、誤った情報源に基づいて誤った回答が生成される可能性もあります。生成された回答は必ずしも最新のものとは限りません。

誤った情報を使用することで実務上の問題が生じたり、企業の信頼性に影響を与えたりする可能性もあるため注意が必要です。

著作権侵害

ChatGPTが生成する回答には、個人情報保護や著作権に関連する情報が含まれる可能性もあります。これらの情報を無意識に引用してしまうことで、法的な問題が発生する可能性もゼロではありません。

ChatGPTを利用する際には慎重に注意し、法的な観点からも適切な引用と情報利用が行われるよう留意することも重要です。生成AIの利用に関しては、このように様々な課題もあり、総務省を中心に議論が進められている状況です。(※13)

生成AIの危険性への対処法

生成AIの危険性を解説しましたが、リスクに対してどのように対応していけば良いのでしょうか? 次に、生成AIを取り扱う上で重要な「危険性への対処法」をご紹介します。

情報漏洩への対策

ChatGPTの場合は設定変更により、情報漏洩のリスクを回避できます。データの学習を防ぐには、以下の3つの方法が有効です。

  • 「training」を無効にする
  • ChatGPT APIを利用する
  • オプトアウトの手続きを行う

ChatGPTの設定を開き、「Data controls」をタップすると、「Chat history & training」が表示されます。これをオフにすることで、入力したデータの学習を停止させることができます。また、ChatGPT APIを介して生成されたデータは、AIの学習に使用されません

他にも、OpenAIが提供しているオプトアウトの制度を利用することで、AIが入力したデータを学習しないようにできます。リクエストは「User Content Opt Out Request」から送信できます。

情報の信憑性への対策

ChatGPTによって生成された情報の正確性を確認することが重要です。ChatGPTの回答を即座に採用するのではなく、他の人間による確認を組み込んだシステムを構築しましょう。

専門的な情報を扱う場合は、専門家のチェックを導入するとより安心です。より正確性を高めるためには、誤った情報や有害なコンテンツを生成しないようにするためのチェック機能を導入するなどの対応も求められます。

著作権侵害への対策

ChatGPTの使用に関するガイドラインや情報漏洩の予防策を策定する必要があります。これには、適切な利用法や避けるべき行動についての詳細な情報を記載します。それによって、知らないうちに著作権を侵害してしまうような事態を回避できるでしょう。

また、生成されたコンテンツがAIによるものであることを明確にするためのラベル付けも有効です。

なお、ChatGPTを企業利用するリスクと対策について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

生成AIを安全に使うためのルールとガイドライン

生成AIの急速な普及に伴い、安全かつ適切な利用を促すためのルール・ガイドラインが整備されつつあります

経済産業省や総務省が策定した指針は、企業や個人がAIを活用する際のリスクを最小限に抑え、安心して技術を活用できる環境づくりを目的としています。

日本のAI事業者ガイドライン(第1.0版)のポイント

2024年4月、経済産業省と総務省はAI事業者ガイドライン(第1.0版)」を公開。

このガイドラインは、既存の3つのAI関連ガイドラインを統合・見直ししたもので、AI開発者・提供者だけでなく、利用者側も注意すべきポイントが明確に示されています。

利用者が最低限おさえるべき3つのポイントは下記です。

  1. 機密情報の取り扱い
  2. 著作権への配慮
  3. 説明責任の確保

もっとも大切なのは社内の機密情報や個人情報をAIに入力しないこと。多くのAIサービスは入力データを学習に利用する可能性があるため、情報漏洩リスクが存在します。

また、AI生成物が既存の著作物を侵害していないか確認することも必要です。

生成物を商用利用する際は権利関係を明確にする必要があり、人間の創作的関与がないAI生成物は著作物として認められない可能性があるため、注意が必要です。

最後に、AI生成物を公開・利用する際は、AIを使用したことを明示し、内容の正確性に責任を持つようにしましょう。生成AIは事実と異なる情報(ハルシネーション)を出力する可能性があるため、必ず人間による最終確認が求められます。

GENIACなど、日本の生成AI開発支援の動き

日本政府は、国内企業が安全かつ効果的に生成AIを活用できる環境を整備するため、複数の支援プロジェクトを推進しています。

GENIACは、経済産業省とNEDOが2024年2月に立ち上げた、国内の生成AI開発力強化を目的としたプロジェクト。

生成AIの核となる基盤モデルの開発には膨大な計算資源が必要ですが、GENIACでは以下の支援を提供しています。

  • 計算資源の一括調達と提供
  • マッチング支援
  • グローバル連携
  • 性能評価の実施

著作権・プライバシーで注意すべきポイント

生成AIを業務や創作活動で利用する際、特に注意が必要なのが著作権とプライバシーの2つです。

AI生成物が著作物として認められるには、人間の創作的関与が必要。単にプロンプトを入力しただけでは著作権が発生しない可能性があるため、商用利用時は編集・加工による創作性の付加が推奨されます。

また、AIが学習したデータに著作権侵害が含まれていた場合、生成物がそれを再現するリスクがあります。特に、既存キャラクターや有名作品に類似した生成物を商用利用すると、「類似性」と「依拠性」が認められた場合に著作権侵害と判断される可能性も。

さらに、顧客情報や社員情報などの個人情報をAIに入力すると、流出リスクや個人情報保護法違反の可能性があるため、特に、医療・金融・人事など、機微情報を扱う業界では細心の注意が必要です。

生成AIに関するよくある質問(FAQ)

生成AIの導入や活用を検討する際、多くの方が同じような疑問を抱えています。ここでは、初心者の方から企業の導入担当者まで、よくある質問に分かりやすくお答えします。

生成AIとChatGPTの違いは?

生成AIは「コンテンツを生み出す技術全般」を指す広い概念であり、ChatGPTはその中の一つのサービスです。

生成AIは、テキスト・画像・音声・動画など、様々な形式のコンテンツを自動生成できるAI技術の総称を指します。一方、ChatGPTは、OpenAI社が開発したテキスト生成に特化した生成AIサービスであり、対話形式で質問に答えたり文章を作成したりすることができます。

無料で使える生成AIには何がありますか?

主要な生成AIサービスの多くは無料プランを提供しており、まず試してから本格導入を検討できます。

無料で利用できる代表的な生成AIサービスとして、以下が挙げられます。

項目内容
ChatGPT1日あたりの利用回数制限がありますが、基本的な対話や文章作成が可能
GeminiGoogleアカウントがあれば無料で利用でき、最新情報の検索にも対応
ClaudeAnthropic社が提供する高精度な対話型AIで、無料枠内で利用可能
Stable Diffusion技術的な知識があれば、自分のPC上で無料利用可能
Bing Image CreatorMicrosoft製の画像生成AIで、1日あたり一定枚数まで無料生成できます

無料で利用できる生成AI一覧表

ただし、無料版にはいくつかの制限があります。例えば、ChatGPT無料版では最新モデルの利用回数が限られており、1日数回程度の利用です。

また、応答速度が有料版より遅かったり、混雑時に利用できなかったりする場合もあります。

生成AIに仕事を奪われませんか?

生成AIは仕事を「奪う」のではなく、働き方を「変える」技術です。定型業務の自動化により、人間はより創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。

生成AIによって影響を受けやすいのは、定型的・反復的な業務です。例えば、定型メールの作成、議事録の要約、簡単なレポート作成などは、AIによって大幅に効率化できます。しかし、これは「仕事がなくなる」ことを意味するのではなく、より重要な業務に時間を使えるようになることを意味します。

生成AIは中小企業でも活用できますか?

無料〜低コストで始められるサービスが多数あり、中小企業こそ生成AIの恩恵を受けやすい環境です。

生成AIの導入は、大企業だけのものではありません。むしろ、人手不足や業務効率化の課題を抱える中小企業にこそ、生成AIは大きな効果をもたらします。

実際、旭鉄工のような中小製造業でも、独自の「カイゼンGAI」を開発し、現場改善に活用しています。規模の大小にかかわらず、生成AIは業務効率化の強力なツールとなり得るのです。

最新の生成AIの仕組みや活用事例を知って業務に取り入れよう

本記事では生成AIの基本的な内容から代表的なサービスまで詳しく解説しました。

毎日のように最新のAIツールが公開され、生産性向上を求めて様々な分野で生成AIの導入が活発化しています。人材不足が深刻化する社会において企業が競争力を維持するには、生成AIの活用は避けて通れないでしょう。

また、本格的にAI導入を検討するには、実際にツールを触ってみることが大切です。ChatGPTなどのAIツールは誰でも簡単に利用ができるため、社内での運用が不安ということであれば、一度自宅や趣味などの個人用途で試すということもできます。

今や小学生向けの生成AIサービスや生成AIを活用した授業も行われており、生成AIの活用が当たり前という社会になりつつあります。

この流れに乗り遅れないためにも、生成AIの基本や具体的な活用事例を把握し、実際に使ってみることでそれぞれの業務に適したAIツールを見つけることができます。長い間、導入を検討している企業もこれを機に、今回紹介したAIツールを一度使ってみてはいかがでしょうか。

WEELが“失敗しないAI導入”を伴走します。

最後に

いかがだったでしょうか?

生成AIがもたらす可能性は無限大。貴社のプロジェクトに適した活用方法を見つけ、未来の競争力を模索してみてください。

株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!

開発実績として、

・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント

などの開発実績がございます。

生成AIを活用したプロダクト開発の支援内容は、以下のページでも詳しくご覧いただけます。
➡株式会社WEELのサービスを詳しく見る。

まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
➡︎生成AIを使った業務効率化、生成AIツールの開発について相談をしてみる。

生成AIを社内で活用していきたい方へ
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「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。

セミナー内容や料金については、ご相談ください。

また、サービス紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。

参考記事
tamura

監修者田村 洋樹

株式会社WEELの代表取締役として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。

これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。

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