ChatGPTは学校教育に活用できる?メリットや活用事例を紹介

押さえておきたいポイント
  • ChatGPTは、学校教育でも授業準備や学習サポートなどで活用できる
  • 学校教育では、ChatGPTを「どの場面で・どの条件で使うか」の整理が重要
  • 学校でChatGPTを導入するなら、校内ルールの整備から始めるのがおすすめ

ChatGPTは教育現場にも活用できる?」といった疑問は多くの方が抱えており、さまざまな議論が展開されています。実際、ChatGPTは教育現場でも授業準備や学習サポートなどで活用できますが、取り扱いには注意が必要です。

本記事では、ChatGPTの教育現場における具体的な活用シーンや事例、さらには注意すべきリスクについて詳しくご紹介します。

教師の業務負担を軽減し、学習の質を高めるための一助として、ぜひご覧ください。

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  1. ChatGPTとは
  2. ChatGPTは学校の教育現場でどのように活用できる?
    1. 生徒一人ひとりに合わせた学習支援
    2. 英語・言語学習のサポート
    3. テスト作成や授業準備のサポート
    4. 文章作成・添削のサポート
  3. ChatGPTの学校教育現場での活用事例
    1. 埼玉大学教育学部付属中学校
    2. 県立長崎北高校
    3. 東京学芸大学附属小金井小学校
    4. 愛媛大学教育学部附属中学校
    5. 東京都の全都立学校
    6. 近畿大学
    7. 滋賀大学
  4. ChatGPTを学校教育で活用するメリット
    1. 教師の負担を軽減できる
    2. 生徒の理解度に合わせた授業準備ができる
    3. 生徒が24時間質問できる環境にできる
  5. ChatGPTを学校教育で活用するデメリットや課題
    1. 生徒の成長を阻害する要因になりえる
    2. 不正確な情報の使用により教育の質が低下する
    3. 個人情報の流出リスクがある
    4. 生徒との関係が希薄になる
  6. 学校の教育現場におけるChatGPT・生成AI活用の動向
    1. 文部科学省が示す初等中等教育向けガイドライン
    2. 大学・高専における生成AI活用の考え方
    3. 文部科学省が指定する「生成AIパイロット校」
    4. 学校で避けるべき生成AIの使い方と注意点
  7. 学校でChatGPT・生成AIを導入する際の進め方
  8. 海外の教育現場における生成AI(ChatGPT)の活用・対応事例
    1. OpenAI
    2. UNESCO
  9. 生成AIを学校の教育現場で使う際の対策
    1. ChatGPTの使用を許可・否認するシーンを明確にする
    2. 補助ツールとして利用する
    3. ChatGPTの設定を変更する
    4. 組織の監査体制を構築する
    5. 生成AI活用に関するガイドラインを作成する
    6. 各学校・教育委員会でルール作りを行う
  10. ChatGPTや生成AIの学校利用に関するQ&A
    1. 生徒が生成AIで宿題を写してきたら、どう指導・評価すればよいですか?
    2. 教員が校務で生成AIを利用する際の注意点は?
    3. 生徒がAIで作った作品をコンクールに出す場合、著作権の問題はありますか?
    4. ChatGPTで作成した文章を学校の課題でそのまま使ったらバレる?
    5. ChatGPTの学生向け料金はいくらですか?
  11. ChatGPTの理解を深めて学校の教育現場で正しく活用しよう
  12. 最後に

ChatGPTとは

ChatGPTとは、OpenAIが開発したチャット型のAIサービスです。従来の検索エンジンのような単なる情報提供にとどまらず、文脈を理解した上で回答できます。

ただし万能ではなく、誤情報を生成するリスクなどが存在するのも事実です。使い方によっては生徒の思考力低下につながる懸念もあるため、教育現場では適切なルール設計と指導が欠かせません。

ChatGPTの料金について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

ChatGPTは学校の教育現場でどのように活用できる?

ChatGPTは、教育現場において教師向けと生徒向けの両面で活用できます。

生徒向け教師向け
・生徒一人ひとりに合わせた学習支援
・英語・言語学習のサポート
・テスト作成や授業準備のサポート
・文章の作成・添削のサポート
教育現場におけるChatGPTの活用例

こうした流れを受けて、OpenAIも教育向けの機能を広げています。例えば2025年7月には、生徒がすぐに答えを受け取るのではなく、段階的に考えながら学べるStudy Modeが公開されました。さらに2025年11月には、教師や学校職員が教材や学生情報を安全に扱いやすいChatGPT for Teachersも公開されており、教育現場での選択肢は広がっています。

以下では、教育現場におけるChatGPTの活用方法を紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

生徒一人ひとりに合わせた学習支援

生成AIは難解な学習内容に関して、学生ごとに個別の指導を行えます。学生が質問をすると、生成AIは疑問点や難しい部分を明確にするための解説や具体的な例を提供します。

生成AIを利用することで学生は自分のペースで学習し、知識のギャップを埋められるのです。

ただし、教育現場で重要なのは、答えをそのまま受け取ることではなく、どこでつまずいているのかを整理しながら理解を深める使い方です。例えば、問題の解き方をすぐに聞くのではなく、考えるためのヒントをもらったり、自分の考え方が合っているかを確認したりする使い方であれば、個別学習支援との相性が優れています。

また、生成AIは、学生の読解力を向上させるために、さまざまな難易度の文章を生成することも可能です。さらに、それに関連する質問の作成もできます。

文章をただ読むだけでなく、「この段落の要点は何か」「筆者の主張に対して自分はどう考えるか」といった問いかけをさせることで、読解力や思考力を深める学習にもつなげやすくなります。

英語・言語学習のサポート

生成AIは、外国語を学ぶ学生に文法の解説や単語の意味・発音の練習などのサポートができます。さらに、音声の入力や読み上げ機能を使えば、簡単な英会話のレッスンも可能です。

学校現場では、単語や文法の確認だけでなく、以下の使い方もおすすめです。

  • 英作文の表現を見直す
  • 会話文の言い換え例を出す
  • 長文読解の要点を整理する

特に「なぜこの表現になるのか」「別の言い方はあるか」と対話しながら学べるため、正解を覚えるだけでなく、理解を深めながら言語を学ぶ補助として活用できます。

テスト作成や授業準備のサポート

教師は、生成AIを活用して定期試験や模擬試験の問題を作成できます。例えば、授業で扱った単元に合わせて小テストのたたき台を作ったり、記述式・選択式など形式を指定して問題案を出したりできるため、出題準備の負担を減らせるのがメリットです。

生成AIを活用することで、対象のトピックや難易度に適した問題を作成できるため、公平かつ効果的な評価が可能になります。

テスト作成以外に、生成AIは教師が行う授業準備のサポートもできます。授業の計画や時間配分の設定だけでなく、授業シラバスの作成・授業用の教材作成・文章の採点や添削など、多岐にわたって活躍します。

生成されたものをそのまま使用するのは難しいですが、回答がヒントとなるケースもあります。

文章作成・添削のサポート

生成AIは、学生がエッセイやレポートを作成する際に、文章の構成や表現の改善点を提案できます。学生の文章を分析し、適切な語彙の使用や文法の修正・論理構造の改善などを提案できるのが特徴です。

ただし、教育現場では文章を代わりに書かせるためではなく、生徒自身の考えをより伝わりやすく整理する補助として使うことが大切です。レポートの構成が不自然な箇所を見直したり、より適切な表現に言い換えたりする使い方であれば、文章力の向上にもつながります。

ChatGPTの学校教育現場での活用事例

ここからは、実際に教育現場でChatGPTを取り入れた活用事例を紹介していきます。

今回紹介するのは、以下の教育機関です。

  • 埼玉大学教育学部付属中学校
  • 県立長崎北高校
  • 東京学芸大学附属小金井小学校
  • 愛媛大学教育学部附属中学校
  • 東京都の全都立学校
  • 滋賀大学
  • 近畿大学

それぞれの事例や成果等を紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

埼玉大学教育学部付属中学校

埼玉大学教育学部付属中学校は、ロボコンに関する授業において調べものをする際にChatGPTを活用しています。

具体的には、充電式電動ドライバーの動力伝達の仕組みを調べるとき、生徒はコネクトシートを使用して、ChatGPTを活用した検索やインターネット上の画像や資料の挿入を行いました

生徒はシートを編集しながら整理していき、編集が完了したシートは自身の考えや調査の成果として教師に提出されたそうです。

県立長崎北高校

長崎市の県立長崎北高校では、約80人の2年生がAIを活用した英語の授業に参加しました。生徒たちは個々に英作文に挑戦し、その添削作業をAIが担当します。教師ではなくChatGPTが英語の使用方法の改善点を提案しました。

劇の台本を作成北海道の函館市立万年橋小学校では、学芸会での劇の台本を学級活動の時間にAIを使用して作成しました。

劇や音楽などの構成をクラスで話し合って決めるのは時間がかかるため、AIによってアイデアや論理的な文章を即座に作成しています。

その後、クラスで起こった出来事というオリジナルな要素を組み合わせることで、独自性もある劇にしたようです。

東京学芸大学附属小金井小学校

東京学芸大学附属小金井小学校では、4年生の道徳の授業で生成AIを活用しました。

子どもたちは将来AIと共に生活していきます。だからこそ、小学生の段階でAIについて理解しておくことは重要であり、AIを盲目的に信じるのではなく、安全にツールとして利用できるスキルを身につけてほしいとのことでした。

愛媛大学教育学部附属中学校

愛媛大学教育学部附属中学校では、中学生を対象に理科・音楽・社会・英語の4教科で、ChatGPT(生成AI)を活用した授業実践が行われました。

日々多忙な教師にとって、こうしたAIの導入は教材や授業設計の効率化だけでなく、学びの質向上にもつながる可能性を示しています。

具体的な活用内容や実施した授業内容は以下のとおりです。

  • 理科:多言語翻訳アプリの開発支援
  • 音楽科:振り返りコメントと授業分析
  • 社会科:パフォーマンス課題の設計とディベート支援
  • 英語科:AIとの英会話練習・英文添削

これらの実践から、教員の負担軽減や利用者の理解力向上を確認できた反面、AI利用の難しさも痛感したようです。

今後もChatGPTを授業や校務に効果的に活用しつつ、教師の負担を軽減し、より創造的で質の高い教育活動へシフトしていくと公表しています。

東京都の全都立学校

東京都教育委員会は、これまでの生成AI研究校での検証結果を踏まえ、2025年5月から全都立学校256校・約14万人を対象に、生成AIを活用した学習を開始しました。

導入された「都立AI」は、GPT 4o-mini以上のモデルを採用しているほか、入力内容がAIの学習に使われないこと不適切なやり取りをフィルタリングできることなど、安全面に配慮した設計になっているのが特徴です。

あわせて、プロンプトのテンプレートも用意されており、生徒や教員が使い始めやすい環境が整えられています。

近畿大学

近畿大学では、2025年9月から教育機関向けサービス「ChatGPT Edu」を導入し、全キャンパスの希望者にアカウントを付与するとともに、オンラインでの活用トレーニングを実施しています。

さらに同年12月には、ChatGPT Eduを活用した大学初のハッカソンを開催し、学生がチームで学生生活や地域社会に関わる課題を整理し、その解決につながるプロトタイプの制作と発表に取り組みました。
この事例は、生成AIを単なるレポート作成支援にとどめず、課題発見力・企画力・協働力・AI活用スキルを育てる実践的な学習に広げている点がポイントです。

滋賀大学

滋賀大学では、2025年4月1日から国内の大学で初めてOpenAIの教育機関向けAIサービス「ChatGPT Education」を導入しました。大学院教育や大学運営の現場で、まさに生成AIを活用した新たな教育の形が始まっています。

具体的には、以下の用途でChatGPTを活用しているとのこと。

  • Canvas機能をPythonなどのプログラミング習得を補助する教材として利用
  • 語学学習や外国語の論文執筆で文章添削に活用
  • 学校独自の教養教育「未来創生リベラルアーツプログラム」で学びを深めるための情報提供
  • データ分析機能で個別の学習プランやアドバイスを提供
  • カスタムGPTで夜間・休日にも学生の質問に自動応答させる

上記のように、滋賀大学では、教員の負担軽減や生徒の学習支援を目的にChatGPTを活用しています。

なお、ChatGPT Eduの料金は未公開です。特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

ChatGPTを学校教育で活用するメリット

生成AIを教育現場で活用するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 教師の負担を軽減できる
  • 生徒の理解度に合わせた授業準備ができる
  • 生徒が24時間質問できる環境にできる

ChatGPTを教育現場で活用すると、教師・生徒の双方にメリットがあります。

以下で、メリットについて具体的に解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

教師の負担を軽減できる

教師は授業準備・テスト作成・レポート添削などで多忙ですが、ChatGPTを使えばこれらの負担を軽減できます。

ChatGPTを使うことで、教材の下書き作成や問題例の自動生成、文章添削の効率化が可能となるためです。

その結果、教師は生徒一人ひとりへの指導や授業の質向上により多くの時間を割くことができるので、教育の質そのものの向上が見込めます。

生徒の理解度に合わせた授業準備ができる

同じクラスの中でも学習の進度や理解度に差があるため、全員に合った授業を準備するのは容易ではありません。

しかし、ChatGPTを活用すれば、生徒のレベルに応じた教材のバリエーションを短時間で作成できるので、基礎を丁寧に学びたい生徒向けから応用問題に挑戦する生徒向けまで柔軟に対応できます。

教師は一斉授業の枠を超えて、生徒一人ひとりに寄り添った学習環境を整えることが可能です。

生徒が24時間質問できる環境にできる

ChatGPTを導入すれば、生徒は自宅からでも24時間いつでも質問でき、即座に回答を得られます。学習のつまずきをその場で解消できるため、自主学習の効率が高まり、学びの継続性を確保することが可能です。

また、教師にとっても質問対応の負担が分散される点でメリットがあります。

ChatGPTを学校教育で活用するデメリットや課題

ChatGPTは教育現場に大きなメリットをもたらす反面、以下のようなデメリットや課題も存在します。

  • 生徒の成長を阻害する要因になりえる
  • 不正確な情報の使用により教育の質が低下する
  • 個人情報の流出リスクがある
  • 生徒との関係が希薄になる

ChatGPTを含む生成AIは便利ですが、その反動で生徒の成長機会を奪う可能性があります。

以下で、それぞれのデメリットや課題を解説していくので、ぜひチェックしておいてください。

生徒の成長を阻害する要因になりえる

ChatGPTは便利な反面、生徒の成長を阻害する要因になります。ChatGPTは情報の検索や文章作成の効率化に有効ですが、生徒が自ら情報を調べたり、文章を考える機会を奪ってしまうためです。

特に、大学では生徒がレポートや論文の作成に生成AIを使用する事例が問題視されています。

したがって、ChatGPTを使用するシーンを限定するなど、学校側で適切な対策を検討しましょう。

不正確な情報の使用により教育の質が低下する

ChatGPTは、稀に不正確な情報をそれらしく回答するハルシネーションという現象を起こすことがあります。これを理解せずに、ChatGPTで生成した情報をそのまま授業で使うと、生徒が間違った内容で理解してしまいかねません

結果的に、教育の質が低下する事態に発展してしまうので、ChatGPTを利用する際のガイドラインを設けるなど、適切な対策が必要です。

個人情報の流出リスクがある

ChatGPTに入力した情報は、保存されてAIモデルのトレーニングに利用される場合があります。そのため、安易に個人情報を入力すると流出する恐れがあるため注意してください。

特に教育現場では、生徒の氏名や成績、家庭状況などのセンシティブな情報を取り扱うため、取り扱いには十分な注意が必要です。利用する際は匿名化を徹底し、学校や自治体で定められたガイドラインに従いましょう。

ChatGPTを企業利用する際のリスクと対策については、下記の記事をご確認ください。

生徒との関係が希薄になる

ChatGPTを活用することで、授業準備や質問対応の効率は向上しますが、教師と生徒が直接やり取りする機会が減る可能性があります。

信頼関係や人間的なつながりが希薄になると、学習意欲が低下する恐れがあるので注意しなければなりません。

そのため、AIを活用する際は、あくまで補助的なツールとして位置づけ、教師自身が生徒との対話や交流の時間を確保する工夫が重要です。

なお、日本企業におけるChatGPTの導入事例が知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

学校の教育現場におけるChatGPT・生成AI活用の動向

ChatGPTをはじめとする生成AIは、可否そのものより、どの場面で・どの条件で使うかの整理へ議論が進んでいます。文部科学省も「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」を公表しており、一律禁止ではなく、教職員・児童生徒・教育委員会ごとに押さえるべきポイントを示しています。

ここでは、文部科学省が掲げる生成AIのガイドラインを中心に、教育現場における生成AI活用の最新動向を解説します。

文部科学省が示す初等中等教育向けガイドライン

小中高などの初等中等教育では、文部科学省が2024年12月26日に公表した 「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」 を基準に考えるのが基本です。これは、2023年7月に公表された暫定版を更新したもので、技術の進展や学校現場での実践を踏まえて内容が見直されています。

このガイドラインで重要なのは、文部科学省が学校現場での生成AI利用を一律に禁止したり、逆に義務付けたりしていない点です。Ver.2.0は単なる総論だけでなく、現場で使いやすいように構成が整理されています。

Ver.2.0に記載されている内容
  • 教職員が校務で利活用する際のチェック項目
  • 児童生徒が学習場面で利活用する際のチェック項目
  • 生成AIパイロット校の先行事例
  • 学校現場で留意すべき代表的なリスクや懸念
  • 活用可能な研修教材などが参考資料

教育現場で必要なのは「使ってよいかどうか」の抽象論よりも、「どこまでなら使えるのか」「何に気をつけるべきか」という判断軸です。

大学・高専における生成AI活用の考え方

大学や高等専門学校については、小中高と同じように初等中等教育向けガイドラインをそのまま当てはめるのではなく、別枠で整理すべきです。

文部科学省は2023年7月、大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについてを公表しており、大学・高専ではそれぞれの教育の実態に応じて、各機関が主体的に対応することが重要だとしています。こうした背景もあり、大学では授業運営・研究支援・学生支援・学内業務まで含めて、学校全体での活用を前提に導入を検討する動きも出ています。

OpenAIには大学向けに設計されたChatGPT Eduもあるため、個人単位の利用だけでなく、大学全体での活用を見据える場合は導入候補の一つとして検討してみてください。

文部科学省が指定する「生成AIパイロット校」

文部科学省では、学校現場における生成AIの適切な利活用に向けて、ガイドラインや研修資料、先行事例を順次整備しています。

その一環として、文部科学省が行っている「リーディングDXスクール事業」では、指定校において1人1台の端末とクラウド環境を活用した教育実践を推進しており、生成AIの活用にも焦点を当てています

指定校は、既存の指定校に加えて「生成AI指定校」として選ばれ、生成AIの教育利用や校務利用をしていきます。実践した成果については、成果報告会において実践事例を発表することが必要です。まとめると、この事業は、生成AIを学校現場で安全かつ効果的に活用するための実践例を蓄積し、今後の議論や運用改善につなげていくための取り組みです。

学校で避けるべき生成AIの使い方と注意点

ChatGPTや生成AIは学校でも活用できますが、どの場面でも自由に使ってよいわけではありません。文部科学省も「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」にて、学校現場での活用を一律に推奨しているわけではなく、使う場面と使い方を見極めることが重要だとしています。

学校で生成AIを使う際は、主に「誤情報」「個人情報」「著作権」「公平性」「依存」の5つの観点からリスクを整理しておくと、活用できる場面と避けるべき場面を判断しやすくなります。

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リスクの種類避けるべき使い方
誤情報生成された内容を事実確認せず、そのまま教材や指導に使う
個人情報個人情報や未公表情報をそのまま入力する
著作権著作権や出典を確認せずに生成物を利用する
公平性学習評価や重要な教育判断をAI任せにする
依存生徒が考える過程を飛ばして、答えだけを得るために使う
学校現場における生成AIの避けるべき使い方

特に小中高では、児童生徒がそのまま答えを得るために使うのではなく、教師主導で学びを深めるための補助として使うことが大切です。

生成AI活用に欠かせないリテラシーについて知りたい方はこちらをご覧ください。

学校でChatGPT・生成AIを導入する際の進め方

学校でChatGPTや生成AIを活用する場合は、いきなり全校で広く使い始めるのではなく、段階的に進めることが大切です。文部科学省のガイドラインでも、学校現場での活用を一律に推奨するのではなく、場面に応じて適切な利活用を判断する考え方が示されています。

そのため、導入を検討する際は、次のような流れで小さく始めるのがおすすめです。

スクロールできます
導入ステップ内容
校内ルール整備個人情報の扱い・利用できる範囲・教職員と生徒の使い方の違いなど、最低限のルールを先に決める
対象業務の切り分け教材のたたき台作成・授業準備・英語学習の補助など、比較的導入しやすい業務から対象を絞る
試行導入特定の教科・学年・校務業務などに限定して、小さく試してみる
検証便利だった点だけでなく、誤情報・個人情報・著作権・依存などのリスクも含めて振り返る
展開効果と注意点を確認したうえで、必要に応じて活用範囲を広げる
学校で生成AIを導入するステップ

ルールを整えながら段階的に試し、学校に合った使い方を見つけていきましょう。

生成AIの導入方法は下記でも解説

海外の教育現場における生成AI(ChatGPT)の活用・対応事例

海外では、学校で生成AIを使うかどうかという議論から、教師主導でどのように安全に活用するかという段階へと議論が進んでいます。

以下では、ChatGPTの提供元であるOpenAIと、教育・研究における生成AI活用の指針を示しているUNESCOの動きをもとに、海外でどのような対応が進んでいるのかを見ていきましょう。

OpenAI

アメリカでは、OpenAIが2025年11月にChatGPT for Teachersを公開し、認証済みの米国K–12教育者に対して2027年6月まで無償で提供すると案内しています。教材準備や授業設計を支援するだけでなく、教育機関向けのプライバシーや管理機能も備えているので、安全に使用しやすいのがポイントです。

また、OpenAIは学校管理者や政策担当者向けにAI Literacy Blueprintも公開しており、教師・家庭・地域が連携しながら、10代の生徒が責任ある形で生成AIを使えるように支える考え方を示しています。

UNESCO

UNESCOも、生成AIの教育・研究利用に関するガイダンスを示すだけでなく、教員や生徒が生成AIを適切に使うための指針を公表しています。内容は、便利さだけで導入を進めるのではなく、人間中心の考え方を前提に、データプライバシーの保護や年齢に応じた使い方、教育目的に沿った活用設計を重視しているのが特徴です。

また、各国に対しては、目先の対応だけでなく、長期的なルール整備や人材育成まで見据える必要性も示しています。

生成AIを学校の教育現場で使う際の対策

前述のとおり、ChatGPTを教育現場で使う際はさまざまなデメリットや課題があるため、その対策をまとめました。

  • ChatGPTの使用を許可・否認するシーンを明確にする
  • 補助ツールとして利用する
  • ChatGPTの設定を変更する
  • 組織の監査体制を構築する
  • 生成AI活用に関するガイドラインを作成する
  • 各学校・教育委員会でルール作りを行う

1つずつ詳細を解説していくので、これから生成AIを導入しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

ChatGPTの使用を許可・否認するシーンを明確にする

教育現場でChatGPTを活用する際は、教師と生徒の双方が「どの場面で使ってよいか」を明確に理解しておくことが重要です。

許可する場面と許可すべきでない場面をあらかじめ区別することで、学習効果を高めつつリスクを抑えられます。

ChatGPTの利用を許可するシーンChatGPTの利用を許可すべきでないシーン
・授業資料や板書の下書き作成
・テスト問題の例題作成
・課題理解の補助や疑問点の解消
・プログラミング学習のサンプルコード生成
・論文やレポートの丸写し作成
・試験や評価の答案作成
・個人情報を含むデータの入力や共有
・AIの出力だけに依存した学習や考察
ChatGPTの利用を許可する場面と許可すべきでない場面

こうしたルールを明確化することで、生徒は安心してAIを活用でき、教師も適切な指導を行いやすくなります。

補助ツールとして利用する

ChatGPTはあくまで授業や学習の補助ツールとして位置づけ、過度に頼りすぎないことが大切です。生徒の自ら考える力を養いつつ、誤情報に翻弄されにくくなります。特に教師は、ChatGPTが出力内容を確認・補足した上で活用することが重要です。

生徒にも「AIの答えは参考情報であり、自分の考えと照らし合わせて判断する」という姿勢を指導することで、学びの質を保ちながら効率的に活用できます。

ChatGPTの設定を変更する

情報漏洩のリスクを軽減する方法としては、ChatGPTの設定を変更することが挙げられます。

OpenAIの公式サイトによると、ユーザーの入力データはAIモデルの学習に利用されていると説明しています。しかし、その学習を回避する方法を3つ提案しています

1.ChatGPTの設定で「training」を無効にする

ChatGPTの設定から「Data controls」にいくと表示される「Chat history & training」をオフにします。

このように設定を変更することで、チャット履歴が残らなくなり、ChatGPTの学習に入力したデータが使用されなくなります。

2.オプトアウトの手続きをする

OpenAIは、ユーザーのためにオプトアウト制度を用意しているのです。

User Content Opt Out Request」こちらから、AIの学習に入力したデータを使用させないようにするリクエストが送れます。

こちらのフォームを提出することで、提出後のデータがAIの学習に使用されなくなります!

3.APIを利用する

APIを経由して生成されたデータは、AIの学習に使用されない仕組みになっています。

AIの学習に自分の入力したデータを使用してほしいという方は、こちらの「OpenAI Data Sharing Opt In」フォームから手続きをしなければなりません。

組織の監査体制を構築する

生成AIが誤情報を出力してしまうことの対策としては、組織の監査体制を構築することが挙げられます。生成AIによって生成された回答を即座に採用するのではなく、別の人間による確認を必ずおこないましょう。特に重要な業務で使用する際は、専門家による検証を導入するのも1つの手です。

生成AIの不正確な回答に対応できる社内の監査体制を構築することで、生成AIを効果的に活用できるようになります。

生成AI活用に関するガイドラインを作成する

個人情報保護や著作権の侵害を回避するためには、生成AIの利用方法や情報漏洩の予防に関するガイドラインを作成するとよいでしょう。このガイドラインには、適切な利用方法や回避すべき行動などを記載して、教師・生徒の双方の生成AIに対するリテラシーを高めます。

ガイドラインを作成したら、生成AIを活用する担当者に配布するのと同時に、わかりやすい場所に掲示しておくことが大切です。

各学校・教育委員会でルール作りを行う

文部科学省のガイドラインは、あくまで全国共通の”暫定的な”指針です。最終的には、各学校や地域の実情に合わせて、より具体的で実践的なルールを策定していく必要があります。

例えば、生徒の年齢や発達段階、学校が目指す教育目標などを考慮し、「どのツールを許可するか」「課題提出時にAI利用の申告を義務付けるか」「どのような情報リテラシー教育を行うか」といった細かなルールを決めていくことが求められます。

教員、生徒、保護者を交えて議論の場を設け、全員が納得できる形でルール作りを進めることが、円滑なAI活用の第一歩となります。

生成AIによる教育業界の業務効率化方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

ChatGPTや生成AIの学校利用に関するQ&A

文部科学省は、具体的な疑問に答える「生成AIに関するQ&A」も公開しています。ここでは、特に教育現場で関心の高い質問をいくつか抜粋してご紹介します。

生徒が生成AIで宿題を写してきたら、どう指導・評価すればよいですか?

まずは、生成AIの性質や限界、付き合い方を指導することが重要です。その上で、AIの利用が想定される課題では、「AIの回答を参考に、自分の考えを述べなさい」といった問い方にしたり、制作過程を重視したりする工夫が考えられます。

教員が校務で生成AIを利用する際の注意点は?

個人情報や機密情報(成績、住所など)は絶対に入力してはいけません。また、生成された文章を保護者への連絡などに使う場合は、不適切な表現がないか必ず人の目で確認する必要があります。

生徒がAIで作った作品をコンクールに出す場合、著作権の問題はありますか?

はい、注意が必要です。

AIが生成したものが既存の著作物と類似している場合、意図せず著作権侵害となる可能性があります。特に、コンクールへの応募やインターネットでの公開など、広く発表する際には、既存の作品と似ていないかを確認することが大切です。授業などを通じて、著作権の基本的な考え方を生徒に指導することが求められます。

これらのQ&Aは、学校現場が直面する具体的な課題へのヒントとなります。気になることがある方はぜひ、文科省のサイトからより詳細なQ&Aを参照してみてください。

ChatGPTで作成した文章を学校の課題でそのまま使ったらバレる?

ChatGPTで作成した文章をそのまま使うと、バレる可能性が高いです。ChatGPTの文章には生成AI特有の言い回しが見られ、日本語が不自然になっているケースが多いためです。そのため、ChatGPTで出力した文章はそのまま使わず、あくまで下書き用途として使いましょう。

ChatGPTの学生向け料金はいくらですか?

ChatGPTに、学生向けの専用料金プランはありません。他のユーザーと同様に、月額8ドルのGoや月額20ドルのPlusなどを検討する必要があります。なお、教育機関向けに提供されているChatGPT Eduは、カスタム料金となっています。

ChatGPTの理解を深めて学校の教育現場で正しく活用しよう

ChatGPTは、教育現場で教師の負担を軽減したり、生徒の学習を支援できる便利なツールです。テスト作成や質問対応など、多様な場面で活用できます。一方、個人情報の流出リスクや誤情報の生成、AI依存による学習機会の損失といった課題があるのも事実です。そのため、ChatGPTはあくまで補助ツールとして位置づけ、利用ルールを明確にしたうえで正しく活用しましょう。

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最後に

いかがだったでしょうか?

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監修者田村 洋樹

株式会社WEELの代表取締役として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。

これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。

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