
- GeoSpy AIとは、写真のピクセルデータを分析して位置情報を特定する画像位置特定ツール
- GeoSpy AIは法執行機関向けに提供されており、一般ユーザーはデモ利用しかできない
- アメリカでは、すでにいくつかの法執行機関が捜査に活用し始めている
GeoSpy AIは、写真に写っている建物や道路などを手がかりに撮影場所を特定する、画像位置特定ツールです。以前から提供されているAIツールですが、SNS上などでプライバシーに関する懸念などから、不安の声が多く上がっています。
そこで今回は、GeoSpy AIの特徴や使い方、プライバシー関連のリスクについて徹底解説します。最後までお読みいただくと、GeoSpy AIがどのように活用されているのかがわかり、SNSやインターネットとの向き合い方を自分なりに整理できるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
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GeoSpy AIとは
GeoSpy AIとは、写真1枚から撮影場所を特定できる画像位置特定ツールです。米国のGraylark Technologies社によって開発され、現在は警察などの法執行機関が児童虐待の捜査などで活用しています。
ただ、SNSに投稿された写真から第三者が撮影場所を特定できる可能性があることから、プライバシーや悪用リスクへの懸念も広がっています。日本でもXの投稿をきっかけに話題となり、「子どもの写真は慎重に投稿すべき」「背景をぼかすべき」といった注意喚起の声が多く見られました。
なお、ChatGPTが悪用された事例が知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

GeoSpy AIの仕組み

GeoSpy AIは、写真に含まれるピクセルデータをAIが解析し、撮影場所を推定する仕組みです。写真に写り込んだ建物・植物・道路・地形などの視覚的手がかりをAIが抽出し、学習済みデータと照合して撮影場所を推定します。
開発元のGraylark Technologiesは、以下2つの工夫を施したことにより、「メートル単位の位置特定を可能にした」と公式サイトで公表しています。
- 世界各地で撮影されたグローバルな画像データ
- 特定の都市・州に絞った高密度のジオタグ付き画像データでモデルを強化
GeoSpy AIの特徴

GeoSpy AIは、従来の位置特定手法とは異なるアプローチで高精度な解析を実現するAIツールです。ここでは、代表的な3つの特徴を紹介します。
写真の撮影地点を迅速に特定できる
GeoSpy AIは、写真に写り込んだ建物や道路、地形、植生などの視覚情報を瞬時に解析し、撮影地点の候補を短時間で提示できます。従来は捜査員や分析担当者が時間をかけて照合していた作業をAIが自動化することで、調査スピードの大幅な向上が期待されています。
特に緊急性の高い事件では、迅速な位置特定が被害拡大の防止や早期解決につながるのがポイントです。
EXIF情報に依存しない解析が可能
一般的な位置特定は、画像に埋め込まれたGPSなどのEXIF情報をもとに行われます。しかしGeoSpy AIは、こうしたメタデータに頼らず、画像そのもののピクセルデータを解析対象とします。
たとえ位置情報が削除されていたり、スクリーンショットで再保存されていた場合でも、背景の特徴から撮影場所を推定できる点が大きな違いです。この仕組みにより、より幅広い画像が分析対象になります。
法執行機関向けに設計されている
GeoSpy AIは一般消費者向けのアプリではなく、おもに法執行機関向けに提供されているツールです。児童虐待や人身売買、重大犯罪の捜査支援を目的として設計されており、限定的な環境での利用が前提とされています。
そのため、導入には一定の審査や契約が必要で、誰でも自由に使えるサービスではありません。公共の安全確保を主目的とした設計が施されています。
GeoSpy AIの安全性・制約
GeoSpy AIによる位置推定はあくまでAIによる解析結果であり、常に完全な正確性が保証されるわけではありません。出力はあくまで手がかりとして扱い、従来の捜査手法によって裏付けをとる必要があります。
また、GeoSpy AIは法執行機関などが利用できるという制約がある点にも注意が必要です。一般ユーザーは利用できないので注意しましょう。
なお、GeoSpyの利用時にはアップロードした画像と、撮影日・使用デバイス・ファイル形式などの関連メタデータが収集・保存されます。さらに保持期間は利用形態により異なり、クイック検索では7日後に削除、ケースファイル等に紐づく場合は削除操作まで保持され、「削除後も法的要件に基づき最大30日間保持された後、完全に削除される」とプライバシーポリシーにて説明されています。
GeoSpy AIのプライバシーリスクや懸念点について
写真から撮影場所を特定できる技術は、第三者のプライバシー侵害につながる可能性も指摘されています。SNSに投稿した何気ない写真から自宅や行動範囲が推測されるリスクや、ストーカーなどによる悪用への懸念は無視できません。
基本的にGeoSpy AIは法執行機関向けに提供されているので、悪用リスクは限定的と考えられますが、技術の進化に伴い、画像共有の在り方そのものが問われています。
GeoSpy AIの料金
GeoSpy AIの料金は、機関の規模や要件などによって異なります。
Available for qualified government and enterprise organizations. Contact us for licensing and pricing details.(適格な政府機関および企業組織向けに提供可能です。ライセンスおよび価格の詳細についてはお問い合わせください。)
引用:GeoSpy AI
海外メディア「404 Media」の調査によると、すでにGeoSpy AIを購入しているマイアミ・デイド郡保安官事務所(MDSO)は、合計8万5,500ドル(約1,300万円)を支払っているとのこと。年間ライセンスやカスタム料金で多くの料金がかかっているようです。
GeoSpy AIのライセンス
| 利用用途 | 可否 |
|---|---|
| 商用利用 | 不可 |
| 改変 | 不可 |
| 配布 | 不可 |
| 特許使用 | 不可 |
| 私的使用 | 可能 |
GeoSpy AIおよび公式サイト上で提供されるコンテンツは、著作権法やその他の知的財産法によって保護されています。利用者には、本サイトの利用を目的としてコンテンツを閲覧・ローカル環境にダウンロードするための限定的なライセンスが付与されますが、商用利用や再配布、改変などは原則禁止です。
GeoSpy AIの使い方
GeoSpy AIを使うには、公式サイトから利用申請する必要があります。まずは、「Contact Us」をクリックしてください。

名前・役職・企業名などの入力欄が表示されるので、それぞれ入力しましょう。

全ての内容を入力して情報を送信し、審査に通ったらGeoSpy AIを利用できるようになります。
GeoSpy AIの活用シーン
GeoSpy AIは主に法執行機関向けに提供されている画像位置特定ツールです。ここでは、警察などの捜査機関における活用シーンを解説します。
警察・捜査機関
警察や各種捜査機関では、事件に関連する写真や動画の撮影地点を特定する用途が想定されます。例えば、容疑者がSNSに投稿した画像の背景を解析して行動範囲を推定したり、児童虐待や人身売買事件における被害現場の特定に活用したりするケースです。
従来は担当者の経験や公開情報をもとに手作業で行っていたロケーション分析をAIが補助することで、初動捜査の迅速化や捜索範囲の絞り込みにつながる可能性があります。
なお、自治体における生成AIの活用方法が知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【課題別】GeoSpy AIが解決できること
GeoSpy AIは「写真の撮影場所が分からない」という課題に対して強みを持つツールです。ここでは、代表的な2つの課題とその解決可能性について解説します。
撮影場所が不明な画像の特定
事件やトラブルに関連する画像が発見されても、撮影場所が分からなければ捜査や検証は難航します。GeoSpy AIは、建物の形状や道路配置などの視覚情報を手がかりに候補地点を提示するとされており、手作業では膨大な時間がかかる位置特定を効率化できる可能性があります。
特に、位置情報が削除された画像やスクリーンショットであっても解析対象となる点は大きな特徴です。
行方不明者・遭難者の捜索支援
行方不明者や遭難者の捜索では、本人が最後に撮影・投稿した写真が重要な手がかりになることがあります。しかし、広範囲の中から場所を特定するのは容易ではありません。
GeoSpy AIが背景情報から撮影地点を推定できれば、捜索エリアの絞り込みや初動対応の迅速化につながる可能性があります。山岳地帯や郊外など、地理的特徴が重要となるケースでは特に有効性が期待されます。
GeoSpy AIの活用事例
GeoSpy AIは単なる技術ではなく、実際の現場で捜査支援や危機対応に活用されつつあります。ここでは報道や公式ブログで紹介された具体的な事例を紹介します。
マイアミ・デイド郡保安官事務所(MDSO)
海外メディア「404 Media」の調査によると、マイアミ・デイド郡保安官事務所(MDSO)はサイバー犯罪対策局向けにGeoSpyへのアクセス権を購入したことが内部メールから明らかになっています。
MDSOは世界中の写真の撮影場所を特定できるグローバルモデルに加え、郡向けに特化したカスタムモデルも利用可能で、初期テストでは地理空間的・時間的パターンから捜査の手がかりを掴む試みがありました。ただし、使用は限定的であり、大きな逮捕にはつながっていないとされています。
ロサンゼルス市警察(LAPD)
海外メディア「404 Media」の調査では、ロサンゼルス市警察(LAPD)も内部メールからGeoSpyへのアクセス権を購入し、一部部署で利用していることが報じられています。
しかし、取材に対してLAPD側は公式なコメントを発表しておらず、実際の運用状況や成果については明確な回答が得られていません。
逃亡者を20分で捕まえる
麻薬・銃器の重罪で指名手配中の逃亡犯が、挑発するようにInstagramストーリーへ車の写真を投稿。GPSメタデータもなく、ストリートビューや最新の衛星画像も存在しない「新興開発地」で、捜査は手がかり不足に陥りました。
そこで警察はGeoSpyを活用し、屋根形状・建材・道路パターン・太陽光パネル・造園といった微細な視覚情報を独自データベースと照合。数秒で正確な住所を特定し、現場部隊を動員した結果、「逃亡者は20分以内に逮捕された」と公式ブログにて紹介されています。
人身売買の被害者を追跡
中西部の警察は、GeoSpyとナンバープレートリーダーを組み合わせ、Instagramライブ配信中に走行する車両から人身売買被害者の追跡に成功したと公式ブログにて紹介されています。
ライブ映像の一部、具体的には後部窓に映り込んだ範囲を切り抜いた画像をGeoSpyが解析し、車両がいる可能性の高いエリアを推定。推定地点を手がかりに地元当局と連携し、最終的に被害者の救出につなげたとされています。
GeoSpy AIを実際に使ってみた
誰でも使えるGeoSpy AIのデモページがあったため、筆者も試しに使ってみました。まずは、公式ページから「Try Demo」を選択します。

以下の画面でも「Try Demo」を選択してください。

3つの検索モードの中から1つを選び、表示された画像の中からさらに1つを選択します。今回は「Worldwide Search」を使用してみました。

「Worldwide Search」で左側の森の画像を検索したところ、チリのプコンという場所にあることがわかりました。

GeoSpy AIでよくある質問
GeoSpy AIが変えるロケーション解析の常識
GeoSpy AIは、写真1枚から撮影場所を推定するという難解なタスクを、生成AIによって大幅に効率化する可能性を示しています。実際に海外警察での活用事例も報じられており、逃亡犯の早期逮捕や人身売買被害者の救出といった成果が紹介されました。
もちろん、推定結果はあくまで捜査の手がかりであり、最終的な判断には裏付けが必要です。しかし、GeoSpy AIは、生成AI時代における捜査のあり方そのものを再定義する技術の一つといえるでしょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
GeoSpy AIは、写真から撮影場所を推定するロケーション解析を高速化し、法執行機関の捜査における初動対応や絞り込みの効率化に寄与する可能性があります。とはいえ、こうした高度な画像解析AIを自社の業務に落とし込むには専門知識や技術が必要なため、実装実績のあるパートナーと進めるのも有効です。
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