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- 生成AIの性能は半導体の性能に大きく左右される
- CPUからGPUへ、用途や使用場所で半導体を使い分ける時代
- NVIDIAはGPU市場で強い地位を築いている
生成AIが急速に広まっていますが、「半導体の話になると急に難しくなる」と感じる方も多いのではないでしょうか。半導体は、生成AIの性能の肝である計算処理を支える存在です。使う半導体次第で、処理速度や生成されるものの品質が決まってきます。
この記事では、生成AIと半導体の関係や半導体の種類、半導体市場で高いシェアを持つNVIDIAについて分かりやすく解説します。最後まで読むことで、生成AIの仕組みと賢い活用のヒントがつかめますので、ぜひご覧ください!
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そもそも「半導体」とは何か?
半導体とは、外部から制御して電流を通す材料のことです。半導体で作られた「トランジスタ」という小さな部品が、電気のON・OFFを高速で切り替えており、私たちが使っているスマホやパソコンには何十億個のトランジスタが使われています。
トランジスタが集まってひとまとまりになったものを半導体チップと呼びます。ニュースなどでよく聞く「世界的に半導体が不足している」「日本は半導体開発に力を入れている」といった話題は、この半導体チップのことです。本記事でも、以降は半導体チップを半導体と表現します。
生成AIと半導体の関係
生成AIは文脈に沿って文章を生成します。実現させるために何十億ものデータを学習しており、言葉の意味やつながりを考えることができる仕組みをもっています。その仕組みを動かすために生成AIは膨大な量の計算を繰り返しており、半導体の処理には大きな負荷がかかっています。
生成AIができた当初は、CPU(Central Processing Unit)という半導体を使用していましたが、CPUは高速な処理ができるものの、1つずつ順番に計算するため、膨大な量の計算にはとても時間がかかりました。その後、多くの計算を同時処理できるGPU(Graphics Processing Unit)が生成AIの半導体として使われるようになりました。
AIモデルのサイズや処理速度は半導体の性能に大きく依存します。高性能な半導体を使うとクラウド利用料は上がりますが、時間効率や品質が上がるため、全体のコスト削減に繋がります。
なお、生成AIが学習する仕組みについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご確認ください。

生成AIに必要不可欠な「AI半導体」

生成AIが人のように考えて答えを生み出せるのは、その裏側で膨大な計算を高速に処理できるAI半導体のおかげです。中でもGPUを中心とした半導体の進化が、生成AIの性能と実用化を大きく押し上げてきました。
AI半導体とは何か
AI半導体とは膨大な量の計算を同時に処理すること(並列処理)が可能な、生成AIに適した半導体の総称です。生成AIは学習にも推論にも、とにかく大量の計算を必要としますが、従来のCPUでは時間がかかり電力消費も膨大になりました。以下では、AI半導体として使われているGPU・TPU・NPUについて詳しくご紹介します。
GPU

GPU(Graphics Processing Unit)は元々ゲームや映像などの画像処理を速く行うために作られた半導体で並列処理が得意です。その中でも特に行列演算という、大量の数字の組み合わせに対して何百回、何千回と同じような計算を繰り返す作業に優れています。
TPU

TPU(Tensor Processing Unit)は、生成AIの計算に特化したGoogleが開発した半導体です。GPUが元々画像処理のために作られ、その後生成AIに使われるようになったのに対し、TPUは生成AI向けの計算に特化しているため、高効率に設計されています。
TPUの「Tensor(テンソル)」とはAIの計算で使う数字のかたまりという意味ですが、このTensorを使った計算を何度も繰り返す処理だけに集中しています。
NPU
NPU(Neural Processing Unit)は、スマホや家電、IoTセンサー、産業用ロボット、監視カメラなどの端末(エッジ)に使われるAI半導体です。スマホカメラの自動補正やスマート家電の音声認識などは、NPUを使って処理をしています。
NPUの「Neural(ニューラル)」とは人間の脳・神経という意味ですが、人間の脳のように「すでに学習した結果」を使ってすばやく答えを出すことを目的につくられています。クラウドを使わず、エッジ内でAIの処理ができることが特徴です。
学習用チップ、推論用チップ、データセンター、エッジの違い
ここまでGPU・TPU・NPUといったAI半導体を解説してきましたが、学習と推論という役割や、データセンターと端末(エッジ)という使用場所で整理してみると、違いがとても分かりやすくなります。
| 半導体名 | 用途別 | 使用場所 | 特徴 | 消費電力 |
|---|---|---|---|---|
| GPU・TPU | 学習用チップ | データセンター | 膨大な計算を同時に行える | 大 |
| NPU | 推論用チップ | エッジ | すばやく答えを出すことに最適化 | 小 |
GPU ・TPUは学習(大量の文章や画像を使って膨大な計算をこなし知識を身につけていく作業)などで力を発揮し、データセンターと呼ばれる大きな専用施設に設置されています。
NPUは推論(学習によって身につけた知識を使って答えを出したり、判断を行ったりする作業)などで力を発揮し、エッジ内に設置されています。
高性能なAI半導体のメリット
高性能なAI半導体を使用するメリットは大きく3つあります。
- 処理が速い
- 大きなモデルを扱うことができる
- コストを増やさずに成果を上げられる
高性能なAI半導体を使うことで処理が速くなりリアルタイムに近い反応ができるようになります。また、大きなモデルのAIを扱うことができれば質の高い回答が得られるようになります。これまでは、リアルタイム性やデータ量において実現が難しかった新しいAIビジネスを生むことができるようになるのです。
生成AI×半導体の分野で一強状態のNVIDIA(エヌビディア)
生成AIの普及とともに、半導体分野では特定の企業が大きな存在感を示すようになりました。その中心にいるのが、GPUメーカーとして知られるNVIDIA(エヌビディア)です。
NVIDIA(エヌビディア)とはどんな企業なのか?
NVIDIAは、1993年にアメリカで設立された半導体メーカーで、本社はシリコンバレーのサンタクララにあります。元々グラフィックス用のGPUが高い市場シェアを占めていることで有名でしたが、2006年頃から生成AI向けのGPU開発に乗り出しました。この取り組みが生成AIの広がりと重なり、NVIDIAは大きく成長しました。
NVIDIA(エヌビディア)は何がすごいのか?
NVIDIAは早い段階から自社製GPUを使うための「CUDA(クーダ)」というソフトウェアを開発し、自社製GPUとCUDAをセットで使うことを標準化して自社製品の需要を高めました。現在のAI開発現場において、NVIDIA CUDAは重要な存在です。
日本でも国産AI半導体の開発研究が進んでいる
AI半導体は海外企業のイメージが強いですが、日本でも国産AI半導体の開発研究が進んでいます。大学発ベンチャーや国内半導体メーカーを中心に、次世代のAI向け半導体を目指した研究が行われています。

その一例がPreferred Networks(PFN)社が、神戸大学と共同して開発しているAI半導体です。行列演算や推論など、生成AIのはたらきの中で一部に特化した半導体を開発研究しています。
また、日本の大手半導体メーカーであるルネサスエレクトロニクスも、監視カメラやロボットなど身近な機器に組み込んで使えるAI半導体の省電化に関する開発研究を行っています。政府も産学官連携で先端半導体技術の開発に注力しています。
なお、生成AIを実際のビジネスやサービスに活用するための相談先について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

生成AI×半導体のよくある質問(FAQ)
生成AIの頭脳である半導体を理解しよう!
生成AIの性能は使われる半導体の性能で決まるため、半導体は生成AIの頭脳と言えるでしょう。AI半導体がCPUからGPUへ、さらに用途に応じてTPUやNPUが使い分けられることで、生成AIは高速かつ効率的に動くようになりました。
また、NVIDIAはハードだけでなくCUDAというソフトウェア基盤を築いたことで、GPUの市場を事実上独占しています。生成AIを活用するには、半導体の違いを理解した上で目的に合った選択を行うことが不可欠です。

最後に
いかがだったでしょうか?
生成AI活用の費用対効果は、GPU・TPU・NPUの選定と運用設計で大きく変わります。
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【監修者】田村 洋樹
株式会社WEELの代表取締役として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。
これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。

