
- Notion AI 3.0は、ページ単位の生成AIから業務を自動で進めるAIツールへ進化
- gents・Research・Meeting Notesなどにより、情報収集から整理、タスク化までをワークスペース内で完結可能
- Notionの文脈とデータベースを理解して「実行」できるのが最大の強み
会議のたびに議事録をまとめ、散らばった資料を探し、進捗を手作業でレポート化する。こうした「仕事を進めるための仕事」に追われ、本来やるべき判断や企画に時間を割けていないチームは少なくありません。Notion AI 3.0は、その地味に重い手間をワークスペース内で自動化し、日々の業務を前に進めるためのAIとして再設計されました。
今回は、そんなNotion AI 3.0について、主な機能や企業の実際の活用事例をご紹介します。最後までお読みいただくと、社内情報の整理のヒントが得られるかもしれません。
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
Notion AI 3.0とは?
Notion AI 3.0とは、ユーザーのルールや文脈を学習し、情報検索・要約・整理・タスク化などの日々の業務を自動で処理する機能です。
2025年9月18日、Notion社は「Notion 3.0:Agents(エージェント)」を正式に発表しました。このアップデートで、これまで「ノートを作るAI」だったNotion AIが、「ワークスペース内で作業を代行できる知的アシスタント」へと進化しています。※1
旧Notion AIとの違いを比較表にしました。
| 項目 | 旧Notion AI | Notion AI 3.0(Agents) |
|---|---|---|
| 主な動作 | 単一ページの要約・翻訳・文章生成 | ワークスペース全体・データベース横断・作業自動化 |
| 文脈の把握範囲 | 入力された文章・ページ単位 | 連携ツール・データベース・記憶ページ・過去履歴 |
| 実行の深さ | 提案・補助が中心 | 複数ステップを自律実行、ページ・タスクを生成、更新 |
| ユーザー設定 | プロンプト中心 | 指示ページ(メモリー)・エージェント設定・連携ツール |
なお、生成AIの導入について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Notion AI 3.0の主な機能
Notion AI 3.0では、従来の文章生成機能に加えて、情報検索・整理・分析・会議支援まで自動化できる高度なAI機能が追加されました。ここでは代表的な主要機能を紹介します。
① AI Agents
AI Agentsは、Notion AI 3.0の中核となる機能で、ユーザーまたはチーム専用の“AIエージェント”を作成し、業務を自動で処理させる仕組みです。従来はページ単体の文章生成や要約が中心でしたが、Agentsでは複数ページ・複数ツールをまたぐ一連の業務を自動化できます。
たとえば「毎週月曜にプロジェクトDBをチェックし、遅れているタスクを抽出してレポート化」「SlackとNotionを横断して顧客のフィードバックを集める」「Google Driveの資料を調査して要点をまとめる」など、時間のかかる情報整理・分析業務をエージェントに任せることが可能です。
また、指示用のメモリーページを設定すれば、エージェントがあなたのルール・文体・参照先の癖を学習し、より精度の高いアウトプットを継続的に提供します。プロジェクト管理・営業レポート・リサーチ業務など、実務レベルで役立つ実行力が特徴です。
② Research モード
Researchモードは、Notion内だけではなく、Google Drive、Slack、メールなど外部サービスと連携し、必要な情報を自動検索・要約できる機能です。従来はユーザーがファイルを開いて確認し、資料を読み込む必要がありましたが、Researchモードでは「何を知りたいか」を入力するだけで、関連情報を横断検索し、要点を整理したレポートを生成できます。
たとえば「競合Aの最新プロダクトの特徴をまとめて」「顧客の要望をSlackとNotion DBから抽出して」「今週の進捗に関係する資料を探してポイント整理」といった複雑な作業を一括で実行可能です。
Notionページ上に引用元付きで情報が整理されるため、ビジネス資料の作成や調査業務の効率が大幅に向上します。社内外の情報が点在している企業や、リサーチ業務の多いチームにとって特に有用な機能です。
③ Meeting Note
Meeting Notesは、会議音声を録音し、その内容を自動でテキスト化・要約し、次のアクションまで抽出してくれる会議支援機能です。「議事録担当の負担を減らしたい」「会議の内容を効率よく共有したい」というニーズに応える形で追加されました。
会議を録音すると、Notion AIが発言者ごとに内容をテキスト化し、議題・結論・論点の整理・タスク化をまとめて自動処理します。特に便利なのは、アクションアイテム(ToDo)を自動抽出し、担当者や期限を指定してNotion内のタスクDBに紐づけられる点です。
また、同じプロジェクトの資料を参照しながら要約を生成するため、文脈に沿った自然なまとめが可能です。リモート会議や複数部署が参加する打ち合わせなど、記録と共有が複雑になりがちな場面で大きな効果を発揮します。
④ Enterprise Search
Enterprise Searchは、企業内に点在する情報を横断して検索・整理できる機能で、Notion AI 3.0のなかでも特に情報基盤としての役割を果たします。従来のNotion検索は「Notion内の情報」が中心でしたが、Enterprise SearchではGoogle Drive、Slack、メール、データベースなど複数の情報源から関連資料をまとめて検索できるようになりました。
検索結果はAIが文脈を理解したうえで整理し、要点のサマリーを生成します。たとえば「新規プロダクトの仕様」「A社とのコミュニケーション履歴」「3ヶ月前の提案資料を探してポイントまとめ」など、通常なら複数ツールを行き来しなければならない作業が、Notion上で完結します。
また、セキュリティ面では企業ごとのアクセス権限を維持したまま検索できるため、情報漏洩リスクを抑えながら全社ナレッジを活用可能です。ナレッジ管理に課題を抱える企業や、業務の属人化を防ぎたいチームに向いています。
⑤ AI Writer 2.0
AI Writer 2.0は、従来の「文章生成AI」を大幅に強化した機能で、文体の自然さ・構造化・論旨の一貫性が大きく向上しています。単なる文章の書き換えではなく、ページ全体の流れや目的を捉えたうえで読み手に伝わる構成を提案しながら文章を生成する点が特徴です。
具体的には、議事録・プレゼン資料・提案書・ブログ記事など、用途ごとに最適な構成を提示し、必要に応じて表・箇条書き・要点整理も自動で挿入します。また、翻訳機能も強化されており、英日・日英ともにビジネス文書レベルの自然な文章生成が可能です。
AI Writer 2.0は、単独ではもちろん、ResearchモードやAgentsと組み合わせると真価を発揮します。例えば「Researchで集めた情報をAI Writer 2.0で提案資料にする」「Meeting Notesの要点を踏まえて議事録を整える」といった情報→構造→文章化の流れをすべて自動化できるため、資料作成のスピードと品質が大幅に向上します。
Notion AI vs ChatGPT/Claude/Gemini
Notion AI 3.0は、ChatGPTやClaude、Geminiと同じ「大規模言語モデル(LLM)」を使うAIですが、役割も得意分野も全く異なります。特に大きな違いは、Notion AIだけがワークスペース全体の文脈(ページ・データベース・連携アプリ)を理解して動けるという点です。他のAIが「会話型の万能AI」であるのに対し、Notion AIは「業務を代行するワークスペース特化型AI」という位置づけになります。
ChatGPTやClaudeは外部サービスとして独立したAIであり、ユーザーから与えられたテキストやファイルをもとに回答します。強力な生成能力と汎用性が魅力ですが、ユーザーのNotion内のデータを直接参照したり、タスクやページを自動更新することはできません。
GeminiはGoogle検索やGoogle Workspaceと深く統合されているため調査能力に優れていますが、Notionのような“データベース×ページ×プロジェクト管理が一体化した環境でアクションを実行する設計ではありません。
一方、Notion AIは、Notionページ・データベース・Slack・Google Driveなどを横断し、関連情報を探し、要約し、ページを作成し、タスクに落とし込み、必要に応じてレポート化まで自律的に実行できます。
【比較表】Notion AI vs ChatGPT/Claude/Gemini
| 項目 | Notion AI(Agents) | ChatGPT | Claude 3.7 | Gemini 1.5 |
|---|---|---|---|---|
| 文脈保持 | Notionワークスペース全体(DB/ページ/連携)を理解 | 会話ごとのセッション単位 | 長文保持に強い | Google検索+Workspace文脈 |
| 検索連携 | Google Drive / Slack / Notion DB などを横断検索 | Bing検索(有料プラン) | なし | Google検索+YouTube理解 |
| 得意領域 | 業務効率化・レポート作成・データ整理・自動化 | 汎用的な文章生成・コード | 長文分析・要約・思考プロセス | 調査・検索統合・マルチモーダル |
| タスク実行力 | ページ作成・DB更新・定期レポート生成など実行可能 | 実行不可(文章生成のみ) | 実行不可 | 実行不可 |
| コラボ性 | チーム全体で利用・DBと連携 | 基本的に個人利用 | 一部チーム利用可能 | Google Workspace前提 |
| 向いている用途 | 会議要約/レポート/DB整理/プロジェクト管理 | ライティング/アイデア出し | 調査/長文読解 | 情報検索/資料理解 |
| 弱み | 汎用生成はChatGPTに劣る場合あり | 文脈の長期保持が弱い場合あり | 生成スピードが不安定 | Notionとは直接連携しない |
このことから、Notion AI 3.0は、議事録やタスク整理など仕事そのものを自動化したいチームに最適で、プロジェクト管理をNotionで完結させるほど効果が大きいツールと言えます。そして、文章生成やアイデア出しはChatGPT、長文分析はClaude、検索・調査はGeminiと使い分けるのが最も効率的です。
Notion AIの料金プラン

Notion AIは、2025年11月現在「AIアドオン(追加オプション)」ではなく、主要プランに統合された形で提供されています。以前のように「どのプランにも+10ドルでAIを追加する」仕組みは廃止されており、AIを本格的に使うには、AI統合済みプランを選ぶ必要があります。
旧「AIアドオン」からの移行方法
以前は「どのプランにも月10ドル追加でAIを付けられる」というアドオン方式でしたが、2025年時点では以下の通り変更されています。
- AIアドオンは新規販売停止
- 既存ユーザーはアドオン契約を継続できるが、新機能(Agents・Meeting Notes・Researchなど)はアドオンでは利用不可
- 新機能を使いたい場合は、
→ Team(Business)またはEnterpriseプランへ移行する必要がある
つまり、旧AIアドオンのままではNotion AI 3.0の主要機能をフル活用できません。Notion AI 3.0を使用したい場合は、最新のアドオンに変更をしてください。
なお、AIによる議事録作成について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Notion AIの活用事例
では、どのようにNotion AIは活用されているのでしょうか。
Rampの事例

急成長中のフィンテック企業「Ramp」では、部門ごとに異なるツールを使っていたため、情報が分断され、必要な資料を探すだけで大きな時間が失われていました。Notion AIを導入したことで、これらの課題が一気に解消され、AIを中心とした“統合ワークスペースが社内の標準になりました。※2
特に効果が大きかったのは、Notion AIによる情報検索・要約・レポート生成の自動化です。Notion AIは、ページ・データベース・Google Drive・Slackなどを横断して関連情報を検索し、必要な箇所を要約して整理します。Rampではこの機能が実務に深く組み込まれ、情報を探す時間を最大60%短縮することに成功しました。
また、プロジェクトごとの進捗レポートを自動生成する仕組みを整えたことで、「最新の状況を手動でまとめる」という作業も不要に。あるチームでは、プロジェクト完了までのスピードが3倍になったと報告されています。これは、Notion AIがミーティングメモ・仕様書・タスクDBを横断して状況を理解し、適切な要点を抽出してまとめる仕組みが確立したことによる成果です。
さらに、Notion AI導入によりツールの重複が解消され、社内ソフトウェアの利用数とコストも大幅に削減。結果として、従業員1人あたりのツール費用が83%削減され、年間で数十万ドル規模のコスト圧縮を実現しました。
Rampの例は、Notion AIが単なる「文章を作るAI」ではなく、情報を集め・整理し・構造化して・実務に必要な形にまで自動変換する“AIワークスペース”として機能することを示す代表的なケースです。
NotionAIの事例

AI研究を牽引するOpenAIは、社内のナレッジ管理とプロジェクト運営の効率化にNotionを採用し、その中核としてNotionのAI機能を活用しています。Notion公式によれば、OpenAIはNotion AIの開発段階から協業し、OpenAIのAPIを活用した機能強化にも関わってきました。※3
そのため、研究メモ・技術仕様・会議記録・意思決定ログなど、研究からプロダクト開発までの過程がNotion AIによって整理・要約され、必要な情報をすぐに参照できる環境が構築されています。
特に、Notion AIが持つ文脈理解・要点抽出・情報構造化の能力は、複雑な研究プロジェクトが同時進行するOpenAIに最適です。研究チームでは、実験ログの要約や技術仕様の整理にAIを用いることで、情報共有のスピードが大幅に向上。プロダクトチームは、議論の経緯や前提条件をAIが自動で整理してくれるため、意思決定の背景が明確になり、次の工程へスムーズに進める体制が整っています。
つまりOpenAIでは、Notionを“単なるドキュメントツール”としてではなく、研究と開発をつなぐAI搭載ワークスペースとして活用しており、Notion AIによって生まれる効率化は、同社の高速な開発文化を支える基盤にもなっています。

コンサルティング企業のNorthSandでは、社内情報が複数ツールに分散し、「必要な情報がどこにあるか分からない」という課題を抱えていました。同社はこの課題を解決するためにNotionを導入し、社内ポータル・プロジェクト管理・ナレッジ共有など、業務基盤をNotionに集約。さらにNotion AIを組み合わせたことで、情報整理と会議後の業務が一段と効率化されています。
特に効果が大きいのが、議事録の要約とアクションアイテム抽出の自動化です。NorthSandではクライアントとの打ち合わせ後、詳細な議事録に加えて要点をまとめたサマリーを併せて共有していますが、この「サマリー作成」をNotion AIが担当しています。従来は約5分かかっていた作業が、AIにより数秒で完了するようになり、ミーティング後の事務作業が大幅に削減されました。
また、プロジェクト管理のデータベースや過去の議事録と組み合わせることで、Notion AIが背景情報を踏まえた自然な要約を生成できるようになり、引き継ぎや意思決定のスピードも向上しています。NorthSandの事例は、Notion AIが単なる文章生成ツールではなく、業務の「後処理」を自動化する実務ワークフロー支援ツールとして機能することを示しています。
Notion AI活用時の注意点

Notion AIは便利な一方で、使い方を誤ると誤情報や誤訳が混ざることがあります。特にResearchモードやMeeting Notesのように、複数の資料をまとめる場面ではもっともらしい誤情報(幻覚)が生成されることもあるため、重要な内容は必ず原文と照らし合わせることが欠かせません。必要に応じて「根拠を引用してまとめてほしい」など、確認しやすい形で出力するよう明示すると精度が高まります。
また、AIに処理させる情報の範囲も注意が必要です。顧客情報や社外秘データを入力する前に、どのページやデータベースにAIがアクセスできるかを確認し、機密情報はAIが参照できない領域で管理することが安全な運用につながります。
日本語で利用する際には、専門用語や固有表現の誤訳が起きることがあります。翻訳や要約を依頼するときは、「ビジネス文書として自然な日本語にしてほしい」「専門用語はそのまま維持してほしい」といった条件を付けると、意図したニュアンスに近い文章になります。
依頼内容があいまいだと精度が落ちるため、Notion AIに依頼するときは目的や形式をはっきり示すと効果が出やすくなります。例えば、「会議メモを要約して」ではなく、「決定事項・課題・担当者に分類してまとめてほしい」と具体的に伝えるだけで、実務にそのまま使えるレベルの出力になります。
Notion AIは、これらの点に気を配るだけで格段に扱いやすくなり、安心して業務の中心に組み込めるツールになります。
Notion AIのよくある質問
Notion AI 3.0は「書くAI」ではなく「仕事を動かすAI」
いかがでしたか?
Notion AI 3.0は、従来の文章生成中心のAIから、業務を自律的に処理するエージェント型AIへと大きく進化しました。ワークスペース全体の文脈やデータベース、外部連携ツールを横断して情報を集め、要約し、整理し、タスク化まで実行できるため、チームの“後処理”や“探す作業”を大幅に削減できます。文章生成はChatGPTなどの汎用AIに任せつつ、仕事の進行そのものはNotion AI 3.0に委ねる。この分担こそが、AIを実務の成果に直結させる最短ルートです。
ぜひ、この記事を参考に、ご自身の業務効率化に役立ててください!
最後に
いかがだったでしょうか?
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